2019年6月25日、四国経済連合会(四経連)が公表した6月の景気動向調査の結果は、四国地方を支える企業の経営者たちの間で景況感にわずかな陰りが見え始めたことを示しています。調査によると、四国4県の現在の景気を「既に回復」「回復傾向」と認識している企業の割合は51%にとどまり、この数字は前回3月調査から14ポイントも大きく低下してしまいました。この状況を受け、四経連は景気に対する判断を「緩やかな回復の動きが続いているものの、一部に足踏み感がみられる」と、従来の表現から慎重な見解に下方修正しています。
この景況感の悪化の背景には、世界経済の不確実性が大きく影響しているものと推測されます。特に注目すべきは、世界的な大国であるアメリカと中国の間で激化している「米中貿易戦争」、すなわち両国が関税を引き上げ合うなどして経済的に対立している状況です。この貿易摩擦は、グローバルなサプライチェーン(製品が消費者の手に届くまでの原材料の調達から生産、流通に至る一連の流れ)を通じて、遠く離れた四国の地にも影響を及ぼし始めています。
とりわけ製造業における景況感の悪化が際立っています。現在の景気を回復または回復傾向にあると答えた製造業の割合は42%となり、前回から24ポイントも急落しています。背景には、世界第2位の経済大国である中国経済の勢いが弱まっている「中国経済の減速」があり、これに伴い、輸出が減っていると回答した製造業の企業が増加しているのです。製造業は四国経済の重要な柱の一つですから、この分野での低迷は、地域全体の景気に大きな重荷となる可能性が懸念されます。
SNS上でもこの調査結果に対して、「うちの会社も受注が減っている」「米中貿易摩擦の影響は遠い話ではない」といった切実な声が散見されました。四国経済の先行きに対する懸念は、企業経営者だけでなく、多くのビジネスパーソンの関心を集めていることが分かります。
米中貿易戦争の具体的な影響と企業が抱く不安
四経連は、今回の調査で米中貿易戦争が企業に与える影響についても詳細に尋ねました。その結果、既に8%の企業がマイナス、つまり悪い影響を受けていることが明らかになりました。さらに、今後半年以内にマイナスの影響が出ると予想している企業も13%に上ります。これらの数字は、現状を楽観視できない状況を示していると言えるでしょう。
企業が具体的にどのような影響を心配しているのかというと、主な懸念事項として「国内取引先からの受注の減少」や「仕入れコストの上昇」が挙げられています。米中間の対立によって、日本の大企業など取引先の業績が悪化すれば、そこから仕事を受けている四国の企業にも当然波及します。また、関税の引き上げなどにより原材料の価格が上がれば、それが「コスト増」となって企業の利益を圧迫してしまうのです。
私見ではありますが、四国の企業は、この世界的な不確実性の高まりに対し、供給先の多角化や地域内での連携強化など、より強靭な経営基盤を構築していく必要があるのではないでしょうか。目の前の「足踏み感」を乗り越えるためには、変化を恐れず、新たな市場やビジネスチャンスを模索する攻めの姿勢も求められてくるでしょう。この調査結果は、四国の企業がその戦略を再点検し、対策を講じるべき時期に来ていることを示唆していると言えます。
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