アメリカの国籍事情が大きな転換期を迎えています。米国務省は2020年1月23日、妊娠している外国人女性への入国審査や査証発給を大幅に厳しくする方針を明らかにしました。これは在外アメリカ大使館の担当官に対し、出産することを目的に観光ビザで渡米しようとする外国人への発給を拒否するよう命じるものです。いわゆる「バースツーリズム」と呼ばれる、生まれてくる子供にアメリカ国籍を取得させるための旅行を力づくで抑え込む狙いがあります。
ここで注目される「バースツーリズム」とは、生まれた土地の国籍を無条件で与える「出生地主義」を利用した渡航スタイルのことです。アメリカでは憲法の規定により、国内で誕生した子供に自動的に市民権が与えられます。これを活用し、将来の教育や就職の選択肢を広げるためにアメリカで生もうとする富裕層が世界中で後を絶ちません。今回の規制強化は、こうした制度の抜け穴を巧みに利用した移住の動きを国家として容認しないという、非常に強い姿勢の表れと言えるでしょう。
この突然の発表に対して、SNS上では早くも激しい議論が巻き起こっています。「国の福祉や特権を守るためには当然の処置だ」と政府の決定を支持する声が目立つ一方で、「妊娠しているという理由だけで不当に疑われるのは人権侵害ではないか」といった反発の声も少なくありません。特に、ビジネスや純粋な観光目的で渡米を予定している妊婦の女性たちからは、入国審査で不当な扱いを受けるのではないかという不安や懸念がリアルタイムで次々と投稿されています。
編集部としては、国家の安全保障や法秩序の維持という観点から、国籍の「爆買い」とも言える状況に歯止めをかける今回の措置には一定の理解を示せます。しかし、基準の運用が現場の裁量に委ねられることで、純粋な旅行者までが不利益を被るリスクは否定できません。単に制度を厳格化するだけでなく、真に医療や観光を目的とする人々が不当に排除されないような、透明性の高い審査プロセスの構築が同時に求められるのではないでしょうか。
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