🇬🇧雇用と経済に打撃!「合意なき離脱」が招く自動車産業の悲鳴とブレグジットの混迷【2019年6月最新】

2019年6月現在、英国の欧州連合(EU)からの離脱、通称ブレグジットの行方は、いまだ混迷の極みに達しています。特に産業界からは、この不透明な状況に対し、深刻な懸念の声が上がっています。その中でも、地域経済の柱である自動車産業の動向は、多くの人々の雇用と生活に直結するだけに、注目を集めているのです。

ロンドンから西へ約120キロメートルに位置する地方都市スウィンドンでは、寂しい光景が広がっています。この町で長年にわたり操業を続けてきたホンダが、2019年2月に英国での生産から撤退すると発表したためです。石造りの質素な2階建ての建物の窓には、「ホンダ、英国から行かないで!」という切実な願いを込めた日本語のポスターが、4枚も貼られています。

ホンダ側は、撤退と英国のEU離脱は直接的な関係はないと強調していますが、地元の人々の受け止め方は異なります。「合意なき離脱」、つまり英国がEUと離脱条件の合意を結ばないまま離脱した場合、主要な輸出先であるEUとの間で、関税が突如として復活する可能性があるからです。関税とは、国境を越える物品に課せられる税金で、これが復活すれば製品のコスト競争力が失われ、ビジネスを継続することが難しくなります。産業界が再三にわたって訴えてきたにもかかわらず、混迷を続ける英国政治の姿勢が、ホンダの背中を押したと誰もが考えているのでしょう。

ホンダに残留を訴える労働組合ユナイトユニオンのアラン・トマラさん(53歳)は、知人の日本人を通してポスターを作製しました。彼は「3,500人もの直接雇用が失われるだけでなく、地元経済への影響は計り知れません」と、ホンダへの思いを語っています。しかし、その声もむなしく、ホンダは2019年5月半ばに「政府や組合との協議の結果、閉鎖以外に手段はないという結論に達した」と発表しました。これにより、撤退への準備が着々と進められているのが現状です。

一方、英南部オックスフォードに工場を構えるドイツの自動車メーカー、BMWもまた、英国の離脱問題に翻弄されています。同社は本来、従業員の夏休み期間であるはずの今夏も、生産を続ける方針を打ち出しました。これは需要が好調で生産が追いつかないという理由からではありません。英国の離脱が当初予定されていた春に、従業員が「夏休み」を前倒しで使い切ってしまったためなのです。

BMWはさらに、合意なき離脱が発生した場合に、英仏海峡間の物流が大混乱するリスクに備えています。万が一に備え、部品を空輸できるように大型輸送機「アントノフ」をいつでも稼働できる体制を維持しているのです。社長のハラルト・クリューガーさん(53歳)は、「7月だろうと10月だろうとアントノフの予約は延期できます。しかしタダではありません」と、先の見えない英国の離脱の行方に語気を強めていらっしゃいます。同社は2019年3月までに数十億円を離脱対策に充てていますが、この費用は今後も膨らむ見通しです。

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🇪🇺EU側の懸念と対策:検疫施設の建設

ドーバー海峡を挟んで英国と向き合う、フランス北部の港町カレーでは、無機質なコンクリート建築物が出現しています。これは、英国の離脱によって通関手続きが復活することに備えた、24時間稼働できる動植物の検疫施設です。検疫とは、伝染病や病害虫の侵入を防ぐために、動植物が国境を越える際に検査を行う制度のことです。英国がEUの単一市場から離脱すれば、当然ながらこの検疫手続きが必要になります。

フランス政府は、この英国離脱に備えた港湾整備に、約600万ユーロ(日本円で約7億2千万円)もの巨額を投じました。しかし、いつ検疫施設の出番がくるのかは、いまだ不透明なままです。多額のコストをかけ、周辺国も準備を進めているにもかかわらず、英国の離脱時期や形態が定まらないため、現場では困惑が広がっていることでしょう。

🗣️SNSの反響:懸念と怒りの声

この自動車産業の動向や国境での対策については、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。「ホンダ撤退は地元経済の崩壊を意味する」「BMWの夏休み前倒しって、企業努力の限界を超えているのでは?」といった、英国政治に対する懸念や怒りの声が多く見受けられます。また、「企業は国境を越えて最適地を選ぶのが当然。政治が混乱を招いたツケだ」といった、英国政治家への厳しい意見も投稿されているのです。私の意見としても、自動車産業はサプライチェーン(供給網)が国境をまたいで構築されている現代において、物流や通関の手続きが滞れば、即座に事業に大きな影響が出るため、英国政治には、企業や国民の雇用を最優先した現実的な舵取りが強く求められると考えます。

🇬🇧ジョンソン氏の姿勢と見えないゴール

英国の保守党の党首選では、ボリス・ジョンソン氏(55歳)が首位を走っています。彼は、EUとの合意の有無にかかわらず離脱を断行する「合意なき離脱」も辞さないという強硬な姿勢を貫いています。進出企業や国民の雇用、そして周辺国の多大な準備とコストを顧みることなく、英国政治は今、どこへ向かうのか見えないゴールへ突き進んでいると言えるでしょう。この混迷が、英国経済、ひいては世界経済にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向から目が離せません。

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