環境に優しい次世代の乗り物として注目を集める燃料電池車、いわゆるFCV。しかし、その普及を阻む高い壁となっていたのが部品のコストでした。そんな中、北海道千歳市に拠点を置く部品メーカー、FJコンポジットが、この状況を一変させる画期的な技術を確立しました。2020年1月31日に発表されたこのニュースは、自動車業界に大きな波紋を広げています。
彼らが量産化に挑むのは「セパレーター」という中核部品です。聞き慣れない名前かもしれませんが、FCVが酸素と水素を化学反応させて電気を生み出す際、正極と負極を隔て、電気の通り道を確保するという非常に重要な役割を担っています。まさにFCVの心臓部を支える縁の下の力持ちといえるでしょう。
製造方法を根本から変える、コスト10分の1への挑戦
これまでセパレーターは、複合材料を削り出して製造するのが一般的でした。しかし、この方法では手間とコストがかかりすぎることが大きなネックとなっていました。そこで同社は、金型に材料を流し込み、熱と圧力をかけることで成形する手法を採用したのです。これにより、なんと従来の10分の1となる1枚あたり千円以下という衝撃的な低価格化を実現しました。
驚くべきは価格だけではありません。樹脂とカーボンを独自技術で絶妙に配合することで、電気の伝導率を劇的に高めることに成功しています。高い性能と低コストを両立させたことで、SNS上でも「これこそFCV普及の起爆剤になるのでは」「ついに水素社会が現実味を帯びてきた」といった、期待を寄せる声が数多く上がっています。
海を越えて広がる需要、目指すは世界シェア
この技術革新に対し、世界からの注目度も急上昇しています。2020年2月をめどに、中国の自動車メーカーである上海神力科技へ年20万枚の納品を開始することが決定しました。さらに、別の中国企業からも大規模な取引や技術共同開発のオファーが届いており、特にバスやトラックといった大型車両への採用が期待されています。
私個人としても、この躍進には非常に胸が躍ります。単に部品を作るだけでなく、技術の力で環境課題を解決しようとする企業の姿勢には強く共感します。同社は今後、1億円規模の設備投資を行い、現在の5倍にあたる年100万枚まで生産能力を拡大する計画です。将来的には年1000万枚という壮大な目標を掲げており、FCVが街中を当たり前に走る未来は、確実に近づいていると感じます。
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