「75歳になったら医療費の窓口負担は1割になるはずでは?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。現在は原則1割負担ですが、政府は2020年2月1日時点の方針として、一定以上の所得がある方を対象に、負担を2割へ引き上げる方向で調整を進めています。この改正により、将来の負担割合は所得に応じて「1割・2割・3割」の3通りになる見込みです。
医療費における「窓口負担」とは、病院の受付で支払う自己負担額のことです。現在、現役世代は3割、70歳から74歳までは原則2割とされています。75歳以上の後期高齢者も基本は1割ですが、現役並みの所得がある方のみ3割負担となっています。今回の見直しは、この仕組みに新たなステップを加え、現役世代の負担を軽減しようという狙いがあります。
医療費抑制への影響と専門家の見解
なぜ負担の見直しが必要なのでしょうか。その背景には、国全体で42.6兆円(2018年度実績)にも及ぶ医療費があります。そのうち約4割が75歳以上によって使われているため、この層の負担を調整することで医療費全体の抑制を図ろうという考えです。安倍晋三首相も国会で検討を明言しており、2022年度までの実施を目指しています。
ただし、日本には「高額療養費制度」という強力なセーフティネットが存在します。これは、1カ月の医療費が上限を超えた場合、超過分が払い戻される仕組みです。実際、75歳以上の窓口負担は実質的に医療費の8%程度にとどまっています。専門家からは、負担を増やしても抑制効果は限定的との指摘もあり、制度設計の難しさが浮き彫りとなっています。
現役世代と高齢者のバランス、議論の行方
SNS上では「高齢者への風当たりが強すぎる」という声がある一方で、「現役世代の保険料負担が限界に近い」という切実な意見も散見されます。現在、会社員の健康保険料の4割以上が高齢者医療の財源に回っているのが現実です。私個人としても、世代間の公平性を保ちつつ、持続可能な社会保障制度をどう構築していくか、慎重な議論が不可欠だと感じています。
今後は、「一定以上の所得」の基準をどこに設定するかが最大の焦点となるでしょう。介護保険制度の例では、2割・3割負担の対象者は全体の1割に満たないのが現状です。高齢者医療でも同様に、対象者の線引きが詳細に詰められます。2020年の夏までに具体案を固め、秋の臨時国会で法案提出を目指すこの動きから、今後も目が離せません。
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