日本ゴルフ界の実力者である稲森佑貴プロが、ゴルフの基本にして最も重要な要素の一つである「グリップ」について語ってくださいました。幼少期の経験から現在に至るまでの変遷、そして、プロとして追求し続ける理想の握り方を、読者の皆様に分かりやすくご紹介します。ゴルフを本格的に始めた小学校1年生から2年生のころは、時松隆光プロの活躍で一躍注目された「テンフィンガー」と呼ばれるベースボールグリップを採用していたそうです。これは、利き手である右手の指全てでクラブを握るスタイルで、幼い頃は手のサイズが小さいため、非常に握りやすかったことが想像されます。
しかし、稲森プロにゴルフの基礎を教えたお父様は、いずれはグリップを変えさせようと考えていたといいます。そして、ご自身も周りのゴルファーたちの握り方を観察するうちに、直感的にインターロッキンググリップが最適ではないかと思い立ち、小学校3年生のころには現在のスタイルに変更されたそうです。インターロッキンググリップとは、右手の小指と左手の人差し指を絡ませる握り方で、クラブが手の中でズレにくく、左右の手の一体感を高める効果が期待できます。
稲森プロがたどり着いた「スクエア」な握りの真髄
かつては、少しでも飛距離を伸ばそうという意識から、ややフック気味にクラブを握っていた時期もあったようですが、現在はほぼスクエアな握りを基本とされています。この「スクエア」というのは、クラブフェースの向きに対して、手のひらの向きを揃える基本的な握り方のことです。特に稲森プロが大切にされているのは、右の手のひらがクラブフェース面と同一、つまり「一体感」を持たせるイメージだといいます。もしフックグリップ(フェースが閉じやすいように右手を内側に深く被せる握り方)で握ってしまうと、右腕までが内側に入り込み、右腕が左腕の上に重なってロックがかかったような状態になってしまうと指摘されています。
このような状態になると、クラブをスムーズに上げにくくなるばかりか、アウトサイド(体の外側)にクラブが上がってしまい、極端なスライスボール(球が右に大きく曲がること)が出る原因になりかねません。ゴルフの上達を目指すなら、このような悪い癖につながる握り方は避けたいものです。また、以前は右手の親指をクラブのグリップの上に乗せる握り方をしていましたが、これも良くないと父親に指摘されて改められました。現在の握り方では、右手の親指と人差し指でクラブを軽く挟み、側面で押さえる感覚で握られているそうです。
グリッププレッシャーの最適バランスを探る
クラブを握る強さ、「グリッププレッシャー」についても、稲森プロは独自のバランスを保たれています。手元はしっかりと握りつつも、あまり強く握りすぎると身体のスムーズな回転を妨げてしまうと考え、肩に余計な力が入らない程度の強さに調整されているとのことです。左右の手の力加減のバランスは、左手がやや強めの「左6:右4」くらいを意識されているそうです。これは、左手でしっかりとクラブの軸を作り、右手をコントロールのために使うという、多くのプロが実践する理想的なバランスと言えるでしょう。
ゴルフのグリップは、まさに十人十色であり、人それぞれに合う握り方が存在するものの、やはり基本は「スクエア」な握り方に尽きると力説されています。初心者がスクエアな握りのイメージを掴むためには、手のひらを合わせる「合掌」の形からクラブを握るイメージづくりをすると良いでしょう。稲森プロの経験と理論が示すように、なるべくスクエアに握り、クラブを真っ直ぐ引いて、真っ直ぐ振り抜くことができれば、ボールは自然とターゲットに対して真っ直ぐ飛んでいくでしょう。2019年6月27日時点での稲森プロのグリップに関するこの貴重な教えは、多くのゴルファーにとって、自身のスイングを見直す大きなきっかけになるに違いありません。
この記事の内容は、SNS上でも「グリップの基本が学べた」「プロの具体的な感覚が知れて参考になる」と大きな反響を呼んでいます。特に「右の手のひらとフェースの一体感」という表現は、多くのゴルファーにとって、手の使い方を直感的に理解しやすいと好評のようです。この基本をマスターすることで、皆さんのゴルフもきっと安定感が増すことでしょう。
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