2020年1月16日現在、地方銀行のあり方が大きく変わろうとしています。山口フィナンシャルグループ(FG)は、傘下の山口銀行、もみじ銀行、北九州銀行において、ATMの設置台数を2022年3月末までに約3割削減するという方針を打ち出しました。これは単なるコストカットではなく、時代の流れに合わせた経営戦略の転換と言えるでしょう。
具体的には、2019年3月末時点で1007台あったATMを、3年かけて700台以下まで減らす計画です。すでに2019年11月までに35台の撤去を終えており、今後はそのスピードを一段と早めていく見通しです。この背景には、ATMの利用件数が2014年をピークに減少の一途をたどっているという厳しい現実があります。
特に2019年10月の消費税増税以降、急速に普及が進んだキャッシュレス決済が、銀行店舗の現金利用に大きな影を落としています。私たち利用者がスマートフォンアプリや電子マネーを活用するようになり、銀行のATMに足を運ぶ回数は自然と減っていったのです。今回の動きは、こうした生活様式の変化を象徴する出来事だと言えます。
地域密着と効率化の狭間で
驚くべきは、山口FGが「店舗網は維持する」という方針を貫いている点です。多くの金融機関が合理化のために店舗の統廃合を進める中、同グループは「店舗は顧客との大切な接点」であると考え、極力統合を避ける姿勢を示しています。地域に根ざした銀行として、利便性を守り抜こうとする強い意思を感じますね。
削減対象のATMは、利用状況に応じて慎重に選別されます。特に、もともと台数が少なく利用率が高い北九州銀行よりも、店舗網が充実している山口銀行やもみじ銀行を中心に調整が進む見込みです。店舗内ATMが全体の約7割を占めるという点からも、店舗内での業務効率化を最優先していることがわかります。
今回の施策により、維持管理費などのコスト削減で年間3億3000万円の効果を見込んでいます。ネット上では「不便になるのでは」という懸念の声も上がっていますが、一方で「キャッシュレス決済が主流の今、銀行の維持費に税金や手数料が使われるよりも、効率化して持続可能な運営を目指すべき」という冷静な意見も多く見られます。
手数料改定が突きつけるキャッシュレス社会の現実
さらに注目すべきは、2020年1月6日から実施されたコンビニATM手数料の改定です。従来、一般顧客であっても平日の日中は無料で利用できていたサービスが廃止され、新たに110円の手数料が徴収されることになりました。これにはSNSでも驚きの声が多く、時代の変化を痛感したユーザーも少なくなかったようです。
もちろん、これには利便性の向上もセットになっています。これまで制限されていたコンビニATMの利用時間が原則24時間へと拡大されました。手数料の改定による経費改善効果は、年間4億円にのぼると見られています。ATM削減と合わせると、年間で約7億3000万円もの収支改善が見込めるというわけです。
個人的には、今回の山口FGの判断は、地方銀行が生き残るための「現実的な選択」として評価できるのではないでしょうか。もちろん利用者の利便性が下がることは残念ですが、銀行側が強制的にネットバンキングへ誘導するのではなく、顧客がアプリの利便性に気づき、自発的に移行していく環境作りを目指す姿勢には、真の信頼関係を重視する姿勢を感じます。
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