UACJタイ子会社が躍進!2021年3月期、悲願の黒字転換へ挑む成長戦略の全貌

アルミ圧延業界の巨人であるUACJが、海外戦略の要であるタイの子会社において、大きな転換点を迎えようとしています。2020年1月22日現在、同社は2021年3月期において、タイのアルミ板事業が通期で初めての経常黒字を達成する見通しであると公表しました。これまでは安定操業に至るまでの試行錯誤が続き、連結業績全体を下押しする要因となっていましたが、いよいよその苦難の時期を脱する兆しが見えてきました。

タイ工場における苦戦の背景には、2015年以降に投じられた総額約1000億円にも及ぶ巨額の設備投資がありました。先行する費用負担が大きく、現在の2020年3月期においても45億円の赤字が見込まれています。しかし、この大規模な投資がついに実を結ぼうとしています。現場では従業員の技術習熟度が飛躍的に向上しており、製品の歩留まり、つまり原材料に対する良品の割合が劇的に改善しているのです。

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生産体制の強化と高まる現地需要

黒字化の大きな推進力となるのは、アルミ圧延における下流工程である「冷間圧延」への新規設備導入です。これは金属を常温で圧力をかけて薄く延ばす工程を指し、この設備工事が2020年3月期中に完了します。既に能力増強を終えている「熱間圧延(加熱した金属を延ばす工程)」と組み合わせることで、万全の増産体制が整うことになります。

現地の市場環境も追い風です。タイでは所得水準の向上に伴い、飲料缶などに使われるアルミ圧延品の需要が右肩上がりに増加しています。この旺盛な需要を取り込むべく、UACJは2021年3月期の年間生産量を、2020年3月期の計画から5割近くまで大幅に拡大する強気の方針を打ち出しています。長年の先行投資が、ようやく利益を生み出す収穫期に入ったと言えるでしょう。

このニュースに対し、SNSでは「ようやく長年の投資が報われる時が来たか」「グローバル展開には苦労も伴うが、黒字化すれば大きな武器になる」といった期待の声が多く上がっています。私自身、グローバルサプライチェーンの構築は極めて困難な道のりであると考えますが、現地での生産能力を盤石にしたUACJの判断は、中長期的に見て同社の競争力を決定づける一手になると確信しています。

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