レジ待ちの苦痛から解放される未来、無人会計技術が小売業を劇的に変える

お買い物中、レジの長蛇の列にイライラした経験はありませんか?実は、米国人がレジ待ちに費やす時間は、驚くことに年間で合計370億時間にのぼると推計されています。この巨大な「無駄」を解消しようと、今、米国では画期的な無人会計技術の開発競争が激化しています。

その先駆けとなったのが、2018年1月に米アマゾン・ドット・コムが開業した「アマゾン・ゴー」です。天井に設置された100台以上のカメラで客の動きと商品を追跡するその技術は、当時の流通業界に大きな衝撃を与えました。現在、米国各地で観光スポットになるほどの注目を集めています。

この流れを受け、サンフランシスコを拠点とするスタートアップの「ジッピン」が新たな挑戦をしています。2019年10月、米カリフォルニア州の屋内競技場「ゴールデン1センター」に設置された同社のシステムは、わずか13台のカメラと棚の重量センサーを組み合わせた効率的な仕組みです。

利用者は専用アプリをかざして入店し、欲しい商品を手に取って店を出るだけ。これだけで買い物が完了するため、イベント前の混雑時でも数十秒で会計が済みます。ジッピンのCEOクリシュナ・モツクリ氏がこのアイデアを思いついたのは、忙しい時にスーパーの行列で時間を無駄にした個人的な原体験がきっかけでした。

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広がる無人店舗の波と今後の展望

アマゾン・ゴーが自社運用に注力する一方で、ジッピンのようにシステムを外部へ提供する「オープン戦略」をとる企業も続々と登場しています。例えば、同じくサンフランシスコに拠点を置く「スタンダード・コグニション」は、顔認証を行わないなどプライバシー保護を重視した技術を開発し、日本企業との提携も進めています。

また、無人会計技術はカメラ方式だけではありません。米ウォルマート傘下の「サムズ・クラブ」では、客が自身のスマートフォンで商品をスキャンする方式を採用しています。カメラ画像解析により、購入に至らなかった商品の情報まで収集できる点が、新たなマーケティング手法として期待されています。

SNS上では「レジに並ぶ時間がゼロになるのは本当に助かる」「店員の負担も減るし、素晴らしいイノベーションだ」といった声が上がっています。一方で「セキュリティや個人情報の管理はどうなっているのか」といった慎重な意見も見られ、利便性と安全性の両立が今後の普及の鍵となるでしょう。

小売業の約3割がすでに試験導入を始めているという調査結果もあり、省人化への関心は非常に高まっています。今後、各社の開発競争によりシステムのコストが下がれば、レジのない店舗は特別なものではなく、私たちの日常の当たり前になる日もそう遠くないはずです。

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