経営者の高齢化が止まらない?2019年の北海道で起きた「休廃業・解散」のリアルと背景

2020年1月27日、東京商工リサーチ北海道支社が興味深いデータを発表しました。それは、2019年における北海道内の企業の休廃業および解散件数についてです。この1年間で、やむを得ず事業を畳んだ企業は2219件にのぼりました。前年の2018年と比較すると27件、わずか1パーセントではありますが、2年ぶりに減少へと転じています。一見すると改善傾向にあるように感じられますが、実は数字の裏側に隠された深刻な問題が浮かび上がってきました。

今回の発表で特に目を引くのは、倒産件数との比較です。2019年の道内倒産件数と比較すると、休廃業や解散の件数は実に10倍もの規模となっています。この格差は過去10年間で最大です。ここで言う「倒産」とは、負債を抱えて経営破綻することを指しますが、「休廃業・解散」は経営状態が必ずしも悪いわけではなく、黒字であっても事業を継続できずに終了せざるを得ないケースを指します。いわば、未来ある企業が「寿命」を迎えてしまう現状があるのです。

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深刻化する「事業承継」の難しさと業界の傾向

なぜ、多くの優良企業が姿を消してしまうのでしょうか。その主な要因は、経営者の高齢化と、それに伴う「事業承継」の難しさです。事業承継とは、会社の経営権や資産、技術を後継者に引き継ぐことを指しますが、これが今、多くの地方企業で滞っています。今回のデータを見ても、経営者の年齢で最も多いのは70代で36パーセントを占めています。さらに60代が30パーセント、80代以上も15パーセントと、高齢の経営者が非常に多いことがわかります。

産業別にみると、特に厳しい状況が伺えます。最も割合が高かったのは「サービス業他」で全体の30パーセントです。これには飲食業や宿泊業、さらには非営利団体までが含まれます。次いで建設業が19パーセント、小売業が18パーセントと続いています。これらは地域の生活に直結する業種ばかりであり、地域経済に与える影響は計り知れません。SNS上でも「地元のおいしい店が、高齢を理由に閉店するのは本当に寂しい」「技術はあるのにもったいない」といった惜しむ声が多く聞かれます。

私自身、このニュースに触れて強く思うのは、数字には表れない「技術や文化の損失」の大きさです。長年培われてきた信頼やノウハウが、後継者不足という理由だけで失われるのはあまりに悲劇的ではないでしょうか。経営者の方々が安心してバトンを渡せるような環境づくり、そしてそれを支援する社会の仕組みが、今まさに急務となっています。今回の結果は、経済規模だけでなく、地域社会の存続そのものを問いかける一つの重要な指標だと言えるでしょう。

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