2020年1月27日、日本の地域経済にとって非常に明るいニュースが飛び込んできました。山口フィナンシャルグループ(FG)と山口大学がタッグを組み、大学発スタートアップ企業を強力にバックアップする体制を整えると発表したのです。特筆すべきは、同日設立された専用ファンドの存在でしょう。大都市圏の有名大学以外で、特定の大学に特化した支援ファンドが立ち上がるのは全国でも異例のことであり、地方大学としては初の快挙となります。
このファンドの総額は3億円にのぼります。主な支援対象は、山口大学の学生や教職員、そして同窓生が中心となって立ち上げたスタートアップやベンチャー企業です。スタートアップとは、革新的なアイデアで短期間のうちに急成長を目指す企業のことを指しますが、特に創業したばかりの時期は信用や実績が足りず、資金調達に苦しむのが一般的です。今回の取り組みでは、まさにその最も厳しいフェーズに着目し、1件あたり3000万円程度の投資を重点的に行う予定となっています。
地域からイノベーションを起こすための挑戦
資金面でのサポートにとどまらず、山口大学は起業家育成にも本格的に乗り出します。山口FGの協力のもと、起業をテーマにしたイベントの開催や、学生向けに経営を学ぶ教育プログラムを提供することで、若者の起業意識を底上げしていく方針です。さらに、2020年4月には大学内に「ベンチャー起業支援室」を新設し、経営に関する悩みを気軽に相談できる窓口を整備します。専門的な知見を持つパートナーが身近にいる環境は、学生にとって心強い味方となるに違いありません。
現在の日本において、スタートアップへの投資は東京など一部の大都市に集中しています。実際、中国・四国地方の資金調達額は国内全体のわずか2%にとどまっているのが現実です。素晴らしいアイデアを温めていても、投資家を探すためにわざわざ東京まで足を運ばなければならない状況が、地方での起業を阻む高い壁となっていました。今回のプロジェクトは、まさにこうした構造的な課題を打破しようとする、岡正朗学長と吉村猛社長の熱い対話から生まれた英断です。
私個人としても、この動きは非常に意義深いものだと感じています。地方大学の知見と、金融機関のネットワークが融合することで、これまでにない地元の産業が創出される可能性を秘めているからです。SNS上でも「地元にこうした仕組みができるのは素晴らしい」「地方から面白いサービスが生まれるきっかけになりそう」といった期待の声が早くも上がっています。地域という枠組みの中で、知と資金が循環する新しい経済のモデルケースとして、これからの展開から目が離せません。
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