2020年1月28日、中国の湖北省武漢市から始まった新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大は、日本国内の観光地にも深刻な影を落とし始めています。春節の大型連休という書き入れ時にもかかわらず、各地からは困惑の声が上がっています。特に四国地方では、インバウンド需要への打撃が現実のものとなってきました。
香川県の浜田恵造知事は、2020年1月27日の記者会見において、情報の不透明さに対する苛立ちと懸念を隠しきれない様子でした。現地が春節の休暇中であるため、正確な状況把握が困難を極めているのです。すでに県内の宿泊施設ではキャンセルが発生し始めており、讃岐うどんの手打ち教室にも団体客から中止の連絡が入るなど、観光への影響は確実に広がっています。
各地で広がる警戒感と対策
一方、有名な観光地である松山市の道後温泉では、現時点では目立ったキャンセルの動きは確認されていません。しかし、旅館協同組合は決して楽観視していません。体調不良を感じた宿泊客に対して即座に申し出るよう呼びかける多言語(中国語含む3カ国語)の掲示物を設置し、感染予防に向けた先手の手立てを講じています。
徳島県では、観光需要の先行きが不透明であることから、2020年1月28日に予定していた関西国際空港での観光プロモーションを急遽延期しました。映像を活用したPRや特産品の販売を通じて訪日観光客を誘致する狙いでしたが、中国人観光客の減少を見越した苦渋の決断です。今回の事態がいかに観光行政に直撃しているかがうかがえます。
さらに、この影響は観光業にとどまりません。ボイラー大手の三浦工業は、武漢市内に拠点を置く中国現地法人の休業延長を決定しました。日本人社員は帰国済みですが、残る14名の従業員に対しても、春節明けの2020年2月2日まで休業を継続する措置をとっています。企業活動において、人命を守るための迅速な判断が求められているのです。
SNS上でも「春節のキャンセルが相次いでいて先行きが見えない」「観光地の感染対策がどこまで追いつくのか不安だ」といった声が散見されます。私自身、観光は人と人との交流の礎であり、地域経済の活性化に不可欠なものだと考えています。しかし、今は何よりも安全と健康を最優先すべき時でしょう。行政と民間が協力し、冷静かつ丁寧な情報発信を続けることが、混乱を最小限に抑える鍵となるはずです。
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