富山県魚津市に本社を置く老舗の工作機械メーカー、スギノマシンが2019年6月26日付で、18年ぶりとなる社長交代を発表しました。新社長に就任したのは、取締役専務執行役員を務めていた杉野良暁(すぎの・よしあき)氏(50歳)です。創業者一族である杉野家から、新たなリーダーが誕生したことになります。前社長の杉野太加良氏(87歳)は、代表権のない会長に退かれました。この人事は、同日開催された株主総会後の取締役会で正式に決定されたものです。
スギノマシンは1936年に杉野太加良氏の父によって創業されて以来、日本の「ものづくり」を支えてきた重要な企業です。工作機械とは、金属などの素材を削ったり、穴を開けたりして、目的の形に加工するための「機械を作るための機械」であり、製造業の根幹をなすマザーマシンとも呼ばれる専門性の高い分野で事業を展開しています。今回の社長交代は、単なる世代交代にとどまらず、グローバル市場でのさらなる飛躍を目指す同社の強い意思表示と言えるでしょう。
新社長の杉野良暁氏は、1993年に慶應義塾大学を卒業後、1997年にスギノマシンに入社されました。特筆すべきはそのキャリアで、中国子会社の総経理(現地法人のトップを指す役職)や海外事業本部長などを歴任されており、海外ビジネスに関する豊富な経験と実績をお持ちである点が挙げられます。前社長の杉野太加良氏は、良暁氏の父にあたり、これまでに太加良氏を含む4人の兄弟が社長を務めてきた同社にとって、良暁氏の昇格は、創業家が培ってきた技術と哲学を継承しつつも、時代に合わせた変革を推し進めるための布石と見られます。
このトップ人事に対し、SNS上では「老舗企業の新しい挑戦に期待したい」「若返りによって海外展開が加速するのでは」といった、新しい体制への期待感を示す声が多数見受けられました。特に、良暁氏の中国子会社での経験に注目が集まっており、世界的に需要が高まる製造業の分野において、同社がどのような国際戦略を打ち出すのか、業界内外から高い関心が寄せられています。今後、良暁氏のリーダーシップのもと、スギノマシンが海外事業をいかに強化し、グローバルニッチトップ企業としての地位を確立していくのか、その動向から目が離せません。
私は、この社長交代が、国内市場の成熟と海外競争の激化という二重の課題に直面する日本の工作機械業界にとって、非常にポジティブなニュースであると考えます。長年の歴史と確かな技術力を持つスギノマシンが、海外経験豊富な新社長を迎えることで、日本が誇る製造技術を世界に広める新たな道筋が開かれることを強く期待いたします。杉野新社長の指揮のもと、同社が世界の「ものづくり」に貢献し続けることを確信しています。
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