【トヨタCASE戦略】EV・自動運転で加速する「仲間づくり」の真意とは?30兆円企業の次なる挑戦

自動車業界がいま、100年に一度の大変革期を迎えていることをご存知でしょうか。2019年6月28日現在、業界の話題をさらっているキーワードが「CASE(ケース)」です。これは、Connected(コネクティッド)、Autonomous(自動運転)、Shared(シェアリング)、Electric(電動化)の頭文字をとった造語で、次世代のモビリティ社会を定義する重要な概念となっています。

この荒波の中で、日本が誇る巨大企業・トヨタ自動車が大胆な戦略に打って出ました。それは、自前主義からの脱却とも言える徹底的な「仲間づくり」です。トヨタの豊田章男社長は5月の決算説明会で、「車の概念そのものが変わり、ビジネスモデルが壊れる可能性がある」と強い危機感を露わにしました。30兆円という日本企業初の連結売上高を記録しながらも、生き残りをかけた戦いは激しさを増しています。

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5年前倒しのEV戦略と「電池連合」の結成

変革のスピードは想像以上です。トヨタは先日発表した新たな電動化戦略において、2025年頃までに電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)の世界販売台数を550万台超にするという目標を掲げました。これは従来の計画をなんと5年も前倒しにする野心的なものです。2018年の電動車販売実績から考えると、実に3倍以上という急激な成長カーブを描くことになります。

この高い目標を達成するための鍵となるのが、EVの心臓部である「車載電池」の調達です。ここでトヨタが見せたのが、国境や企業の枠を超えた柔軟な連携でした。世界最大手の中国CATLやBYD、そして東芝といったプレイヤーとの協業を次々と発表しています。さらにパナソニックとは2020年末までに新会社を設立する計画もあり、まさに最強の「電池連合」を構築しようとしているのです。

開発コストの壁を越える「オールジャパン」体制

次世代技術の開発には、莫大な資金が必要です。トヨタの研究開発費と設備投資は、過去最高水準の2兆5000億円規模に達していますが、それでも単独での開発は容易ではありません。そこで進められているのが、開発リソースの共有化です。2017年にマツダやデンソーと立ち上げたEV基盤技術の新会社「EVシー・エー・スピリット」には、現在スズキやいすゞ自動車、日野自動車など9社が参加しており、軽自動車からトラックまでをカバーする効率的な開発体制が整いつつあります。

異業種タッグで挑む「移動サービス」の未来

「仲間づくり」の輪は、自動車メーカー以外にも広がっています。特に注目すべきは、ソフトバンクとの提携によって生まれた「モネ・テクノロジーズ」でしょう。ここでは、自動運転車を用いた配車サービスや移動型店舗など、MaaS(マース:Mobility as a Service)と呼ばれる次世代移動サービスの覇権を握るべく動いています。3月にはホンダや日野自動車も合流し、まさにオールジャパンでプラットフォーム構築を急いでいるのです。

こうした動きは、サプライヤー企業にも波及しています。例えば、日本特殊陶業は宇宙関連スタートアップと組み、2021年に月面へ打ち上げられる探査機向けの「全固体電池」開発に挑戦しています。これは従来のリチウムイオン電池よりも安全で高容量な次世代電池であり、過酷な宇宙環境での実験データは、将来のEV開発にも大きなフィードバックをもたらすことでしょう。

編集後記:競争から共創へ変わる自動車産業

今回のニュースから読み取れるのは、「もはや一社だけで勝てる時代は終わった」という強烈なメッセージです。私自身、これまで日本の製造業は自前技術にこだわりすぎる傾向があると感じていました。しかし、トヨタのような巨人がなりふり構わず外部と手を組む姿は、新しい時代のビジネスモデルが「競争」から「共創」へとシフトしていることを象徴しています。CASEの荒波を乗り越えた先に、どのようなモビリティ社会が待っているのか、非常に楽しみです。

最後に、この一連の動きに対するSNS上の反響をまとめてみました。「トヨタとソフトバンクが組むなんて、数年前には考えられなかった」「EVシフトが本気で加速しそう」「日本の技術結集に期待したい」といった、驚きと期待の声が多く上がっています。技術革新がもたらす未来の移動体験に、私たち生活者も注目していく必要があるでしょう。

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