韓国鉄鋼業界に激震!高炉停止の危機と大気汚染論争の行方:ポスコ・現代製鉄を巡る環境問題とサプライチェーンへの影響

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韓国を代表する鉄鋼メーカー、ポスコや現代製鉄の高炉が今、停止の危機に直面しており、韓国経済全体に波紋を広げています。発端は、有害物質を浄化せず大気中に排出しているとの告発を受け、自治体が相次いで高炉に対して10日間の操業停止処分を通告したことです。鉄鋼業界は「世界中で長年行われてきた安全対策だ」として猛反発し、処分の取り消しを求めています。もし実際に高炉が停止すれば、自動車、電機、造船といった韓国経済を支える主要産業のサプライチェーン(供給網)が寸断されかねない、極めて重大な事態と認識されています。

一連の問題は、2019年3月に環境団体からの告発を受けた公営テレビ局の報道によって表面化しました。報道によると、ポスコが光陽製鉄所(全羅南道光陽市)で大気汚染物質を無断排出しているという疑いが持たれたのです。これを受け、地元自治体の全羅南道が立ち入り検査を実施し、ポスコが高炉の定期点検時に「ブリーダー弁」と呼ばれる安全バルブを開いていた行為が法令違反にあたると判断しました。このブリーダー弁は、本来は緊急時にのみ使用が認められているものです。全羅南道は4月に、光陽製鉄所の「第3高炉」に対する10日間の操業停止を通告いたしました。

高炉とは、鉄鉱石と原料炭を使い、鋼材の元となる銑鉄をつくり出す、モノづくりの根幹をなす巨大な設備です。通常、高炉の運転中に発生するガスは、集じん装置で不純物を取り除き、発電燃料などに再利用することで環境に配慮しています。しかし、年に6回から8回実施される定期点検の際、ポスコは炉内のガスと外部の空気が混合し、爆発事故を起こすのを防ぐために、意図的にブリーダー弁を開放して圧力を調整していました。このブリーダー弁には集じん装置がついていないため、弁を開放すると、微量とはいえ汚染物質がそのまま大気に放出されてしまう状態だったのです。

全羅南道は、集じん装置のないブリーダー弁の開放は、韓国の「大気環境保全法」が定める「大気汚染物質を排出する設備を稼働させるには、汚染防止設備を併用しなければならない」という規定に違反すると判断したわけです。この判断は他自治体にも影響を与え、現代製鉄の唐津製鉄所(忠清南道唐津市)にある「第2高炉」に対し、忠清南道が同様に10日間の操業停止処分を決定しました。さらに、ポスコの浦項製鉄所(慶尚北道浦項市)の「第2高炉」についても、慶尚北道から10日間の操業停止処分が事前通告されました。韓国にある全12基の高炉(ポスコ9基、現代製鉄3基)のうち、これまでに計3基が停止処分の対象となったという状況です。

これに対し、鉄鋼業界の反発は非常に強いものです。韓国鉄鋼協会は、高炉の定期点検時にブリーダー弁を開放する作業は「世界中の高炉が安全確保のため100年以上にわたって続けてきたやり方だ」と主張し、日本の鉄鋼メーカーも「我々も同じやり方だが、法令違反とされたことはない」と述べています。現代製鉄は7月7日に中央行政審判委員会へ処分撤回と執行停止を申請し、ポスコも7月18日の聴聞会で処分の不当性を訴えるなど、両社とも行政訴訟も辞さない構えを見せています。

この問題の決着には時間を要するとみられ、直ちに高炉が停止する事態にはならないと予想されています。しかし、処分が万が一確定した場合、その影響は計り知れません。高炉は一度稼働を開始すると、通常10年単位で連続運転され、ほぼ停止することはありません。もし停止してしまうと、炉内で溶けた銑鉄が凝固し、再開にはその銑鉄を爆破して取り除く作業が必要となるため、「再開には3カ月から6カ月もの時間を要する」と韓国鉄鋼協会は指摘しています。

同協会は、復旧に3カ月かかると仮定した場合、高炉1基あたり製品換算で120万トンの減産となり、金額にして8000億ウォン(約740億円)もの減収に繋がると試算しています。韓国の鉄鋼大手幹部は「鋼材価格も上昇し、サムスン電子の家電や現代自動車の車などに使われる鉄の供給が滞れば、自動車、造船、電機といった韓国経済の基幹産業全体に与える影響は甚大です」と懸念を表明しています。

事態を収拾するため、環境省は7月19日、自治体、鉄鋼業界、専門家、環境団体からなる官民協議体を立ち上げました。この協議体の目的は、ブリーダー弁を開放した際に排出される汚染物質の量や種類を共同で調査することです。さらに、日本や欧州の製鉄所での運用事例も参考にしつつ、制度改善や汚染物質の削減方法について、今後2カ月から3カ月かけて取りまとめる計画です。

韓国鉄鋼協会によると、ブリーダー弁開放時に排出される大半は水蒸気であり、環境に負荷をかけるガスも混ざりますが、その排出量は「排気量2000ccの乗用車を1日8時間、10日間走行させた程度の量」だとしています。ガスの具体的な成分については、現在、国立環境科学院が測定を進めています。今回の問題は、これまで高炉メーカーが慣行として行ってきた手法が、本当に環境負荷が大きかったのかという根本的な問いを投げかけていると言えるでしょう。

この官民協議体が導き出す結論は、事実上、高炉操業における新たなガイドラインとなる可能性が高いと考えられます。韓国と同様の手法で高炉を操業している世界の鉄鋼メーカーにとっても、この議論の行方は決して他人事ではありません。世界の大手鉄鋼メーカーを抱える欧州や日本でも、韓国の動向に強い関心が集まっている状況です。

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🌍国際的な慣行と環境基準の衝突:私たちの意見と展望

今回の韓国における高炉停止の危機は、長年の国際的な産業慣行と、厳格化する現代の環境基準が真っ向から衝突した象徴的な事例だと私は考えます。鉄鋼業界が主張するように、「安全のために100年以上続けてきた」という慣行には一理あります。高炉という巨大設備での爆発事故を防ぐための安全対策は、最優先されるべき事項でしょう。しかし、それが環境負荷を伴うのであれば、現代社会においては見過ごされるべきではありません。微量とはいえ、集じん装置を通さずに汚染物質を排出する行為は、大気汚染防止の原則に反していると言わざるを得ません。

一方で、韓国経済の根幹を支える基幹産業の突然の操業停止は、多くの国民生活に直結する経済的な大打撃を意味します。再開に数カ月かかるという高炉の特性を考えれば、自治体の処分は、その影響の甚大さと処分内容のバランスを慎重に考慮する必要があるでしょう。SNSなどでも、「環境は大事だが、突然の停止はやりすぎではないか」「世界中がやっていることなら、韓国だけ厳しくするのは不公平だ」といった、経済への影響を懸念する声が上がっているようです。

官民協議体の設置は、この難題を解決するための賢明な一歩です。感情論ではなく、汚染物質の量や成分を科学的に精査し、日本や欧州の事例を参考にしながら、「安全性」と「環境保全」を両立させる現実的な解決策を導き出すことが最も重要です。今回の議論をきっかけに、世界中の製鉄所が、より環境に配慮した**「ブリーダー弁開放時における汚染物質削減技術」の開発**へと進むことを強く期待しています。この問題の結論は、未来のグローバルな鉄鋼生産における環境ガイドラインを決定づける、極めて重要なベンチマークになるでしょう。

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