【企業年金】運用資産の2割超え!「代替資産」が国内債券を逆転した理由と高利回り追求の最新戦略

2019年6月28日に公開された情報によると、日本の企業年金において、運用資産の構成に大きな変化が起こっています。伝統的な資産運用からの脱却を図る動きが加速し、「代替(オルタナティブ)資産」の占める割合が、2019年3月末時点で初めて2割を超えたことが、J.P.モルガン・アセット・マネジメントの調査で明らかになりました。この調査は、加入者への将来の支払い額が約束されている「確定給付型」を中心とする116の年金基金を対象に行われたものです。この代替資産の躍進は、日本の金融市場における低金利環境、特にマイナス金利政策の長期化が背景にあると言えるでしょう。

「代替資産」とは、株式や債券といった伝統的な金融資産とは異なる、収益源を分散させる効果や、相対的に高い利回りを期待できる資産の総称です。具体的には、不動産、インフラ(水道・港湾など)、非上場株式(プライベート・エクイティ)などが含まれます。この調査結果では、運用資産に占める代替資産の割合は21.3%となり、前年から2.4ポイントも上昇しました。驚くべきことに、その一方で国内債券の割合は18.1%へと3.2ポイント低下し、ついに代替資産が国内債券の比率を上回る「逆転現象」が発生したのです。これは、企業年金の運用戦略が歴史的な転換期を迎えていることを示唆しています。

この運用ポートフォリオのシフトは、低金利環境下で、年金基金が目標とする「予定利率」(将来の年金支払いのために確保すべき利回り)を従来の運用方法では達成しづらくなったことが主な要因です。記事公表時点の予定利率は2.28%と、4年連続で低下傾向にありますが、国内債券ではこの利回りを確保することは極めて困難になっています。そこで、利回りの確保とリスクの分散を図るため、年金基金は代替資産への投資を積極的に増やしているのです。

特に構成比が高まったのは、不動産やインフラ、そして非上場株です。J.P.モルガン・アセット・マネジメントの国京彬氏も指摘するとおり、企業年金の間では「売買機会が少なくなるリスクを負ってでも、高い利回りを追求できる商品」を求める傾向が非常に強まっています。代替資産は、株式ほどのリスクを負わずに、債券だけでは不可能なリターンを目指すという、現在の企業年金にとって非常に魅力的な選択肢となっているのです。実際に、「代替資産を増やしたい」との意向を示した企業は40%と高水準を維持しており、このトレンドは今後も継続する見通しです。

この企業年金の運用多角化の動きは、SNS上でも大きな反響を呼んでいます。「年金運用が不動産やインフラに手を出すのは時代の流れだ」「日本の低金利では必然」「予定利率を達成しようとすれば、リスクを取らざるを得ないのは理解できるが、リスク管理は大丈夫か」といった声が多く見受けられます。特に、投資先としてのインフラや非上場株といった、流動性が低い(売買の機会が少ない)資産への投資が増加している点について、リスクとリターンのバランスに対する関心が集まっているようです。年金基金は、加入者の将来の生活を守るという重責を担っており、このような大胆な運用方針の変更には、高い専門性とガバナンスが求められると言えるでしょう。

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