【G20主要議題】廃プラ削減へ!サントリーと花王が挑む「植物由来100%」「超軽量容器」のESG経営戦略

2019年6月28日から29日にかけて開催されるG20大阪サミットでは、「プラスチックごみ(廃プラ)による海洋汚染問題」が主要な議題の一つとして取り上げられています。国際社会で日本企業の対応の遅れが指摘される中、サントリーホールディングス(HD)と花王は、この難題に挑む野心的な目標を打ち出しました。世界的な潮流であるESG(環境・社会・企業統治)の視点を経営に取り込み、「地球にやさしい企業」へと変貌を遂げようとする日本を代表する二社の挑戦を追ってみましょう。

サントリーHDは、使用済みペットボトルを再び資源として活用する「再利用」と、再生が可能な「植物由来の樹脂」を活用することで、2030年までに石油由来のペットボトルを全量代替するという驚くべき目標を公表しています。新浪剛史社長は、この目標を「困難ではあるが、必ず実現できる」と言い切っており、飲料メーカーとしては世界初となるこの試みは、大きな反響を呼んでいます。ネット上でも「ついに日本企業が本気を出した」「環境負荷の低減に期待したい」といった、企業姿勢を評価する声が多く見受けられます。

同社の戦略の核となるのは、リサイクル技術とバイオテクノロジーを組み合わせることで、新たに化石燃料由来のプラスチック原料を使わない仕組みです。特に飲料容器は、中身の安全性確保だけでなく、消費者の購買意欲を高める「見た目のおいしさ」も重要であり、開発現場では多くの困難を乗り越える必要がありました。サントリーHDは、資源リサイクルを手掛ける協栄産業(栃木県小山市)と連携し、使用済みボトルを粉砕し異物を徹底的に取り除くことで、石油由来のものと遜色のない品質を保つ技術を確立し、2011年には飲料容器として実用化しています。

また、より効率的にボトルに再生する技術も2018年には目途がつき、今後、全国のボトル再生設備を増設する計画です。一方で、植物由来の樹脂を使った技術開発は、2012年から米国のスタートアップ企業、アネロテックとの連携により本格化しました。約30億円の開発支援投資を行い、テキサス州に実証プラントを建設するなど、技術確立に向けて邁進しています。この技術では、マツの間伐材から抽出した成分と、サトウキビから砂糖を搾り取った後に残る成分を組み合わせ、100%植物由来のペットボトルを製造することが可能になる見通しです。これは、脱炭素社会の実現に向けた大きな一歩となるでしょう。

サントリーは、2023年を目途に米国で新工場を稼働させるなど、環境負荷の低いペットボトルの普及のために、協調企業との共同投資も含め、約500億円規模を投じる考えです。「量産効果が生まれれば、十分採算は取れる」と新浪社長は語ります。全量代替が実現すれば、二酸化炭素(CO
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)の使用量は2030年には2017年比で58%削減できると試算されています。国内外で年間100億本規模にも及ぶペットボトルを流通させている同社にとって、この全量代替はまさに並大抵ではない挑戦です。

日本国内のペットボトルの回収率・再利用率は世界でもトップレベル(8~9割)ですが、実際に飲料ボトルへ再生される割合は約1割に留まっています。中身がきれいな良質な使用済みボトルを安定して確保することが課題なのです。特に分別回収の仕組みが整っていない新興国では、その難しさは一層高まります。それでも新浪社長がグローバルでの全量代替を掲げるのは、「グローバル企業としての試金石であり、やり遂げるべき使命」との強い危機感があるからです。環境意識の高まりやESGの流れに乗り遅れれば、国際社会での受け入れは難しくなると感じているのでしょう。

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環境負荷を極限まで減らす花王の革新的な容器技術

「時代の変化には、ESGの視点に立脚した技術開発で勝負する」と強調するのは、花王の沢田道隆社長です。花王もまた、環境負荷の低い新技術を用いた容器を、2030年までに新たに年間3億個流通させるという目標を掲げています。これは、国内で流通している日用品の本体容器(年間2億個)の1.5倍に相当する、非常に意欲的な数値です。その新技術の第1弾として開発が進められているのが、薄いプラスチックフィルムを本体容器として使えるようにした「エアインフィルムボトル」です。

このボトルは、薄くて平たいプラスチックフィルムの外周に空気を膨らませ、立てて置いても倒れない浮き輪のような形状の構造を持っています。フィルムの内側に液体を入れ、上部にポンプを設置すれば、そのまま本体容器として利用できるのです。使用後は空気を抜くだけで簡単に潰せて嵩張らず、中身もほとんど残さずに使い切ることができます。従来は、プラスチックの使用量を抑えるため、本体容器に「詰め替え用」から中身を移し替える必要がありましたが、このボトルであれば、その作業が不要となります。

従来の本体容器と比較してプラスチックの使用量を6分の1にまで削減できるこの技術は、ネット上でも「画期的だ」「もう詰め替える手間がいらないのは嬉しい」と高い関心を集めています。さらに、素材に再生プラスチックを100%使用することで、使用後も再びリサイクルへ回せる、資源循環型の容器です。新たな金型が必要になるため初期コストは高くなりますが、量産体制の構築と消費者への普及が進めば、将来的にはコスト削減につながると見込まれています。

実はこのエアインフィルムボトルの発想は、「プラスチック使用量の少ない詰め替え用を、そのまま本体容器として使えないか」という考えから始まっています。日本の日用品業界では、1990年代から詰め替え用が普及し、環境負荷の抑制に貢献してきました。詰め替え用から着想を得たこの革新的な技術は、容器開発を専門とする研究部門を持つ花王ならではの独自のアプローチといえるでしょう。サントリーと花王、業種は違えど、地球規模の課題解決に向けた日本企業の果敢な挑戦は、私たち消費者にとっても、大きな希望を感じさせてくれるものです。

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