2019年6月27日、長野県信用農業協同組合連合会(長野県信連、長野市)が公表した2019年3月期の決算内容は、多くの関係者の注目を集めています。決算によると、税引き利益に相当する当期剰余金(とうきじょうよきん)は91億円を計上しましたが、これは前の期と比較して17%の減少となりました。当期剰余金とは、企業でいう「純利益」にあたり、一会計期間の最終的な儲けを示す重要な指標でございます。この大幅な減少には、前の期に多額に計上された貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)戻り益の反動が大きく影響していると見られます。貸倒引当金とは、将来、貸付金などが回収不能となるリスクに備えてあらかじめ積み立てておくお金のことで、これが不要になって戻ってきた利益が前期に一時的に膨らんでいたため、今期の減少が目立つ形となったのでしょう。
金融機関の本来の稼ぐ力を示す指標である実質業務純益(じっしつぎょうむじゅんえき)も、前の期より6%減少し、76億円にとどまりました。これは主に、外国債券(がいこくさいけん)などの有価証券運用にかかるコストが増加したことが響いたと考えられます。低金利環境が続く中で、より高い利回りを求めて外国債券などの運用を強化する傾向が見られますが、それに伴う購入や管理のコスト増は避けて通れない課題でございます。SNS上では「農協系の金融機関も運用には苦労しているようだな」「地方信連の経営環境の厳しさが透けて見える」といった、現状の金融情勢に対する懸念を示す声が寄せられています。
一方で、貯金残高と貸出金残高については堅調な推移が見られました。2019年3月末時点の貯金残高(譲渡性預金を除く)は、前の期比で2%増加し、2兆6989億円に達しております。これは、県内の農業協同組合(JA)を通じて、個人の貯金が増加したことが主な要因です。地域の組合員や利用者の皆様からの信頼の証であり、資金調達の基盤が盤石であることを示しているといえるでしょう。また、同時点の貸出金残高も前の期比1%増の3882億円となり、特に長野県内向けの貸出が伸びています。これは、地域経済に対する資金供給という、信用農業協同組合連合会としての重要な役割を果たしている証左で、非常に喜ばしい傾向でございます。
しかしながら、財務の健全性を示す単体の自己資本比率(じここほんひりつ)は、2019年3月末時点で16.18%となり、前の期から2.99ポイント低下しました。自己資本比率とは、総資産に占める自己資本の割合のことで、金融機関が予期せぬ損失に耐えうる体力を見るための重要な指標でございます。この低下の背景には、上部団体への出資金が増加したことなどが影響しているとのことです。自己資本比率は金融庁などが定める国際的なルール(バーゼル規制など)で一定水準以上が求められていますが、今回の水準は健全性を保っていると言えるでしょう。私自身の意見としましては、地域に根差した金融機関である長野県信連が、地域経済の活性化と組合員の利益という二つの使命を達成するため、今後もコスト管理の徹底と、安定的な本業の収益力の向上に注力することが不可欠であると考えられます。
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