2019年5月29日付の報道は、日本の将来的な地方の担い手不足に警鐘を鳴らす調査結果を伝えました。就職情報会社のマイナビが発表した調査によると、2020年卒業予定の大学生・大学院生のうち、地元への就職を希望する学生の割合が49.8%と、調査開始以来初めて半数を割り込んだのです。これは前年比で1ポイントの減少、2017年卒以降3年連続の低下となり、学生が企業を選べる「売り手市場」が加速させる若者の大都市志向が鮮明になりました。
特に地元就職への意欲が顕著に減少していたのは、地元の大学に進学した学生でした。この層の地元就職希望率は、前年比2.3ポイント減の69.4%に落ち込んでいます。マイナビは、売り手市場のもと、「地元の大学周辺よりも、より都市部にある人気企業を受けてみようと考える学生が増えているのでは」と分析しています。SNS上でも当時、「当然の結果だ」「都会の方が仕事も給料もチャンスも多い」といった、学生の合理的選択を理解する声が多く上がっていました。
しかし、この「地元離れ」は地方経済にとって深刻な課題を突きつけます。都市部に進学した学生のUターン就職には多くの障壁が存在します。調査では、学生たちが挙げるUターン就職の障害として、「地元までの交通費」「地元までの距離・時間」、そして「やりたい仕事がない」という回答が上位に並びました。特に「地元の業界・企業研究までできる学生が少ない」という点は、情報格差の問題を浮き彫りにしています。
コラムニストとしての私の意見ですが、地方が優秀な若者を呼び戻すためには、従来の**「地元愛」**に訴えるだけでは限界があります。都市部に進学した学生の声をヒントに、具体的な解決策を講じるべきでしょう。調査でも、「東京からのUターン就職を考える学生には都内での説明会を開いてほしい」「ウェブ説明会やウェブ面接を増やすなどしてほしい」といった、ITを活用した利便性の向上を求める回答が並んでいます。
これらの声は、地方企業が、地理的なハンデを乗り越え、都市部の学生に効率的にアプローチするためのデジタルトランスフォーメーション(DX)を強く求めていることを示唆しています。Uターン就職の促進は、単なる企業の人材確保に留まらず、日本全体の地方創生という喫緊の課題を解決するための、重要な鍵となるでしょう。
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