2019年6月27日までに、北関東を拠点とする地方銀行の主要5行・グループが定時株主総会を開催しました。株主の皆様から経営陣に寄せられたのは、一様に**「株価低迷」への強い懸念と、今後の成長戦略、さらには地域金融の未来を左右する「業界再編」に対する熱い問いかけです。低金利環境の長期化や人口減少などを背景に、地域金融機関を取り巻く環境は厳しさを増しており、今回の総会は各行の”いま”と”これから”を鮮明に映し出す場となりました。
例えば、2019年6月27日に総会を開いた栃木銀行では、ある株主の方から「株価が非常に低迷している」との手厳しい指摘とともに、具体的な株価浮揚策についての質問が挙がりました。これに対し、黒本淳之介頭取は「確かな実績を積み重ね、その成果を決算に反映させることで、結果として株価に結びつくような強靭な経営体質を作り上げていきたい」と意欲を示されました。また、高齢のお客様の利便性を高めるための対策や、他行との経営統合、すなわち「M&A(Merger and Acquisition:企業の合併・買収)」についての検討状況を問う声もあり、現在の市場が抱える切実な問題意識が浮き彫りになりました。
地域金融の厳しい現実を示すように、SNSでも「地銀の株はなかなか上がらない」「再編は避けられない流れだろう」といった意見が多く見受けられ、株価や経営の行方に対する関心の高さがうかがえます。低迷する株価は、地域経済を支える地銀の「体力」を示す指標の一つであり、その動向は多くの投資家や地域住民にとって気がかりな問題でしょう。私が考えるに、単なる収益確保にとどまらず、いかに地域に必要とされる存在であり続けられるか、その「存在意義」を示すことが、株価回復の鍵を握っているのではないでしょうか。時代に合わせたサービス変革が急務です。
金融再編の波と、中期経営計画への注目
2019年6月25日に水戸市の常陽銀行本店で開催された、めぶきフィナンシャルグループの総会でも、株価水準に対する質問は当然のことながら出ました。さらに、ATM(現金自動預払機)の他業態や他行との提携状況、いわゆる「共通化」の取り組みに関する質問も注目を集めました。これは、コスト削減と利便性向上の両立を目指す地域金融機関にとって、非常に重要な課題です。経費の合理化は待ったなしの状況であり、特に店舗やATMといった固定費をいかに効率化するかが、収益改善の大きなポイントになるでしょう。
同日に総会を開いた筑波銀行では、2019年4月からスタートした第4次中期経営計画に掲げた「純利益目標」が達成可能なのか、といった踏み込んだ質問が株主から寄せられました。これに対して経営陣は、徹底した経費削減に注力していく姿勢を強調し、厳しい経営環境下での目標達成への強い決意を示されたようです。金融機関における経費削減は、単に人件費や物件費を削るだけでなく、例えば「デジタルトランスフォーメーション(DX)」を推進し、業務効率を抜本的に改善することも含まれます。
また、2019年6月25日の群馬銀行の総会では、「与信関係費用」の増加に対する対応策、つまり融資先の経営悪化などに備えるための引当金増加への対処に関する質問が出ました。与信関係費用は、景気動向や融資先の状況によって変動する「リスクコスト」であり、これが膨らむことは収益を圧迫する要因となります。そして、2019年6月26日に総会を開いた東和銀行では、いまだに残る「公的資金」の返済時期や、やはり株価の低さに関する質問が挙がりました。公的資金は、過去の金融危機時に注入された資金であり、その完全返済は経営の健全性を示す一つの大きな節目となるのです。
地方銀行の株主総会で共通して浮かび上がったのは、各行が「株価をどう浮揚させるか」**という課題に直面しているという現状です。これは、短期的な成果だけでなく、長期的に見て地域経済の中でどのような価値を提供し続けるか、その戦略と実行力が問われているということでしょう。私は、地域に根差した強みを活かしつつ、大胆なコスト構造改革や他行との連携・再編も視野に入れた、果敢な経営判断が必要不可欠だと考えています。
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