2019年上半期の米株式市場は、投資家の熱狂を誘う展開となりました。特に、ダウ工業株30種平均は1月から6月の間に驚異の14%値上がりを記録し、これは上期としては実に20年ぶりの高い上昇率で、市場に大きなインパクトを与えています。この好調の背景には、アメリカの金融政策と米中貿易摩擦という、世界経済を左右する二大要因が複雑に絡み合っているようです。
ダウ平均株価は、2019年6月28日の終値で2万6599ドルをつけ、2018年10月の史上最高値である2万6828ドルまで、わずか200ドルあまりに迫る水準にあります。5月には米中貿易戦争の激化によって市場は一時大きく冷え込みましたが、6月に入ると一転して、アメリカの金融当局による「利下げ観測」が急速に高まり、世界の投資マネーが再び米国株へと向かい始めたのです。
6月単月の上昇率も7%強に達し、これは2015年10月以来、3年8カ月ぶりの大きな伸びとなっています。この相場を決定づけた要因の一つが、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の発言です。議長が「景気拡大を保つために適切に行動する」と述べたことで、市場では7月の利下げ期待が一気に高まりました。
市場では、この利下げによってアメリカ経済の景気拡大が今後も支えられるという見方が広がり、株式を積極的に購入する動きが強まっています。さらに、6月下旬には、世界的に注目を集めていた米中貿易交渉が前進するのではないかという楽観的な思惑も相場を押し上げる追い風となりました。このような金融緩和への期待と、貿易摩擦の緩和への期待が重なり、投資家はリスクをとって積極的に収益を狙う姿勢を見せていると言えるでしょう。
この米国株高が世界市場の牽引役となり、欧州やアジアなど、アメリカ以外の主要な株式市場も2019年1月~6月の上半期に大きく値を上げています。投資家は、より高いリターンを目指して積極的に収益を狙う、いわゆる「リスクオン」の動きを強めている状況です。これに伴い、株式だけでなく、企業の資金調達手段である社債や、エネルギー資源である原油の価格上昇も目立ちました。
興味深いことに、欧米の金融緩和期待は、安全資産とされる「金(ゴールド)」や「国債」にも買いを入れる動きを生み出しています。国債が買われるということは、その利回りである長期金利が低下することを意味し、主要な金融資産が軒並み値上がりするという、異例とも言える状況が発生しているのです。この「主要金融資産すべてが値上がりする」という現象は、金融緩和への期待がいかに市場に深く浸透しているかを示していると言えるでしょう。
この一連の動きに対し、SNS上でも大きな反響が寄せられています。「ダウの勢いがすごい。このまま史上最高値更新か」「利下げ期待でどこまで上がるのか」「主要資産が全部プラスって、リスクオンと安全志向が両立してるみたいで不思議」といった声が見られ、市場の楽観ムードと同時に、今後の展開への関心の高さがうかがえます。私見ですが、この状況は、金融当局が積極的に景気の下支えをしようとしている姿勢を市場が好感している結果であり、世界経済の動向が一時的なリスクに左右されず、基調として底堅い成長への期待があるからだと考えられます。今後のFRBの決定や米中貿易交渉の行方に、引き続き注目が集まるでしょう。