【データが示す衝撃】ペイペイ還元祭が市場を3倍に拡大!モバイル決済「覇権争奪戦」の勝者は誰だ

2018年12月に始まったペイペイ(PayPay)の「100億円あげちゃうキャンペーン」は、日本におけるキャッシュレス決済の風景を一変させました。そして、その成功に続き、2019年2月から5月にかけて展開された第2弾キャンペーンも盛況のうちに幕を閉じたのです。筆者が所属するフラー社のアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」のデータによると、ペイペイの月間利用者数(MAU、AndroidとiOSの合算)は、2018年12月の第1弾キャンペーン開始時と比較し、2019年4月末時点で6割増の300万人にまで達しました。

ペイペイは、第1弾でサービスの認知度を一気に高め、続く第2弾では利用頻度の拡大に狙いを定めるという、緻密なマーケティング戦略が功を奏したと言えるでしょう。この一連の動きにより、ペイペイはモバイル決済市場の中心に雪崩れ込む形となったのは間違いありません。しかし、この急速な成長は、単に一社の勝利物語として片付けられる話ではないのです。

モバイル決済サービスが相次いで生まれる中、市場は限られたパイを奪い合っていると見る向きもありますが、アプリの利用データからは別の側面が見えてきます。ペイペイの大規模キャンペーンをきっかけに、モバイル決済そのものが決済手段として広く認知され、市場全体が劇的に活性化している様子が伺えます。AppApeが調査した主要7アプリ(おサイフケータイ、ペイペイ、d払い、楽天ペイ、モバイルスイカ、オリガミ、キャッシュ)のAndroid版MAU合計は、ペイペイが登場した2018年10月以降の7カ月間で、なんと約2.9倍の670万人にまで伸長しているのです。

驚くべきことに、ペイペイを除いた残りの6アプリの合計利用者数も、同時期に約2.3倍の540万人と大きな成長を遂げています。このデータは、ペイペイの一連の施策が、自社だけでなくモバイル決済という業界全体の「底上げ」に繋がったという事実を鮮明に示していると言えるでしょう。モバイル決済を含むファイナンスアプリの市場自体が日を追うごとに盛り上がりを見せており、2019年4月のMAU上位200アプリの合計は、1年前と比較して2.3倍の2,100万人に達しているという状況です。

今後のモバイル決済市場の行方を左右する大きなポイントは、メガアプリによる更なるマーケティング攻勢と、新規参入組の動向でしょう。LINEペイは、ペイペイを上回る総額300億円もの大型キャンペーンを展開しており、LINEという巨大プラットフォームを通じて、少額決済を中心に消費が加速することは容易に想像できます。また、セブン―イレブン・ジャパンも、2019年7月に新たなモバイル決済サービス「セブンペイ」を始める予定です。

セブン&アイグループは、2018年6月のリニューアルで圧倒的なユーザー獲得に成功した「セブン―イレブンアプリ」を通じてセブンペイの登録を促し、決済専用アプリも予定しているとのことです。日本におけるモバイル決済の普及率は未だ途上にありますが、業界全体が拡大し、利用者が増え続ける中で、果たしてどのアプリが最終的にモバイル決済の「覇権」を握るのか。そして、この競争の結果、私たちの生活がどれほど便利になるのか、コラムニストとしてその動向から目を離すことはできませんね。

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