2019年6月28日、東京株式市場で電気通信大手であるNECの株価が急伸し、一時的に前日比5%、金額にして185円高の4245円という値を付けました。これは、2015年4月以来、およそ4年2カ月ぶりの高値圏となります。この活発な動きの背景には、アナリストによる投資判断の引き上げが大きく影響しているようです。長期間にわたって取り組まれてきた構造改革が一つの節目を迎えつつあり、いよいよ本格的な業績の改善への期待が高まっている様子が窺えます。
最終的な終値は前日より180円高い4240円で取引を終え、その日の売買代金は前日の3.5倍にも膨らみました。市場の関心の高さが数字に表れていると言えるでしょう。この買いの勢いを後押ししたのが、大和証券が6月27日付で公表したリポートです。同社はNECに対する投資判断を5段階評価の最高位へと1段階引き上げ、同時に目標株価をこれまでの4400円から一気に8100円へと大幅に上方修正しました。
同証券の上野真チーフアナリストは、NECの構造改革が2019年3月期中に一区切りとなり、すでにその効果の一部が現れ始めていると指摘しています。特に長年の懸案事項であった海外事業についても、2020年3月期には黒字化が見込まれるという明るい見通しが示されているのです。このニュースはSNS上でも好意的に受け止められており、「NECがついに本気を出してきた」「改革の成果が株価に反映され始めた」といった、今後の成長に対する期待感を示す声が多く見受けられます。
長年にわたる構造改革の成果と収益への貢献
NECはこれまで、半導体、パソコン、電池、そして液晶といった多岐にわたる事業を抱えてきました。しかし、この10年間は不採算事業からの撤退や合弁事業の解消といった厳しいリストラを繰り返し実施してきた経緯があります。その過程で発生した構造改革費用が、長きにわたり同社の収益を圧迫する要因となっていました。しかし、今期でその改革費用が一巡すると見られています。
その結果、会社側は2020年3月期の連結営業利益について、前の期と比べて88%増という大幅な伸びを予測しています。営業利益とは、企業が本業でどれだけ稼いだかを示す重要な利益であり、これが大きく改善するということは、NECの事業体質が強固になっている証拠と解釈できます。経営資源を成長分野へ集中し、効率化を徹底した構造改革の努力が、いよいよ花開こうとしていると言えるでしょう。
株価は2018年末からすでに3割程度の上昇を見せていますが、予想PER(ピーイーアール、株価収益率)は約17倍程度に留まっています。PERとは、株価が1株当たりの純利益の何倍かを示す指標であり、一般的にこの数字が低いほど株価が割安であると判断されます。
情報システムやソフトウェアといったセクターでは、世界的にも関連株が強く買われる流れが続いています。同業他社であるNTTデータや野村総合研究所といった企業では、予想PERが22倍近くまで高まっています。この状況を踏まえると、NECの株価は構造改革の成果がさらに明確になるにつれて、まだ上値を追求する余地が大きいとの見方が市場では有力であると判断できましょう。
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