🐳【釧路グルメの新時代へ】31年ぶり商業捕鯨再開で活気づく!知られざる「くじら料理」の魅力と期待の声を徹底取材

2019年6月29日、国際的な取り決めに参加する国際捕鯨委員会(IWC)から日本が脱退したことを受け、これまで資源調査を目的として行われてきたミンククジラなどの捕獲が、7月1日から31年ぶりに商業捕鯨として再開されることになりました。かつて沿岸捕鯨で日本一の水揚げ量を誇り、昭和の鯨食文化が深く息づく北海道釧路市は、この再開をきっかけに街の活性化への期待を高めているようです。

釧路は捕鯨の基地として栄えた歴史があり、特に40代以上の市民にとっては、鯨肉が学校給食や家庭の食卓に並ぶ身近な存在でした。釧路市出身の水産加工機械メーカー、ニッコーの佐藤一雄社長も「鯨のフライやベーコンを家でよく食べた」と当時を懐かしんでいらっしゃいます。釧路市が発刊した『釧路捕鯨史』によれば、釧路港は日本水産などの大手企業が捕鯨基地を設け、1952年度から1961年度にかけて、釧路沖の沿岸捕鯨で全国トップの水揚げ量を誇っていました。最盛期の1958年には全国のおよそ3割にあたる969頭を捕獲していた実績があります。

商業捕鯨の中断で、1988年以降、鯨料理は長い冬の時代を迎えていましたが、釧路の街には今もその伝統を守り続ける飲食店があります。釧路駅から歩いて約15分、中心街の栄町にある「居酒屋 佐良」もその一つです。店内にはお品書きが壁一面に貼られ、どこか懐かしい「昭和レトロ」な雰囲気が漂います。店主の田中良信さんは、メニュー表には7種類の鯨料理を載せていますが、「常連のお客様向けの裏メニューもございます」と笑顔でお話しになっていました。

同店で味わえる鯨料理は、すべて釧路沖などの調査捕鯨で水揚げされたミンククジラが使われています。調査が終了した後に解体され、市場に出回る「副産物」として提供されているものです。定番の「くじらの刺身」(税別700円)は、赤みがかった厚切り肉が特徴で、ショウガと醤油でいただきます。多くの方が想像するような獣臭さはまったくなく、しっかりとした肉の歯応えが新鮮な驚きを与えてくれるでしょう。40代以上にはお馴染みの竜田揚げやショウガ焼きも用意されていますが、ぜひ試していただきたいのが珍味の「くじらさえずり」(税別900円)です。

「さえずり」とは、鯨の舌の部分を使った料理の専門用語で、細切れにした鯨肉をポン酢で味付けし、ネギをかけて食します。弾力のある食感で、噛みしめるたびに、まるで牛乳のような優しい甘さが口いっぱいに広がり、一度食べたらやみつきになってしまうほどの魅力があります。この「さえずり」を筆頭に、釧路の飲食店では様々な鯨料理が提供されており、TwitterやInstagramなどのSNSでは、「釧路のさえずりは感動的なおいしさ!」「鯨料理のイメージが変わった」といった反響が多く見受けられ、知る人ぞ知るご当地グルメとして話題になっているようです。

鯨肉は、高たんぱくで低脂肪という非常に優れた栄養価を持っています。捕鯨が全盛期だった1950年代には、牛肉の3分の1、鶏肉の4分の1程度の低価格で手に入り、当時の庶民にとっては貴重な栄養源となっていました。商業捕鯨の中断以降、鯨肉の国内消費量は最盛期の1962年度に23万トンありましたが、2017年度にはわずか3千トンにまで落ち込んでいます。需要の低迷から、商業捕鯨が再開されたとしても、ただちに需要が回復するかは未知数です。この点について、「居酒屋 佐良」の田中店主も、「30年の空白があり、調理法を知らない方も多いため、一般家庭での販売が急に増えることは考えにくい」と、需要回復については慎重な見方を示しています。その上で、「鯨料理の素晴らしさを地道に伝えて、ファン層を少しずつ広げていきたい」と意気込みを語っています。

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🐳釧路の街を彩る「くじら」イベント

釧路では、商業捕鯨再開以前も調査捕鯨が行われる9月に合わせて、街をあげての恒例イベントが開催されていました。市や地元商工会議所、漁業団体などで構成される釧路くじら協議会が主催するこのイベントでは、市内の飲食店が工夫を凝らした鯨料理を1食税込み500円というお手頃価格で提供します。釧路市水産課の鈴木稔さんによれば、「2019年は9月19日から21日までの予定で、記念すべき10回目を迎える」ということです。昨年は36店舗が参加し、ユッケ、コロッケ、串揚げなど、合計65種類もの限定メニューが並び、魚の街である釧路がこのときばかりはクジラ一色に染まり、大きな盛り上がりを見せていました。

1950年代後半から1960年代前半にかけては、市民生活と鯨は密接に結びついていました。「居酒屋 佐良」の田中店主は、小学生の頃に授業で加工工場を見学した経験があるとお話しされています。釧路港の水揚げは2002年度以降、ほぼ毎年、ミンククジラの調査捕鯨による29~77頭を上限とする水揚げにとどまっていました。しかし、この31年間の空白を乗り越え、釧路港でも2019年7月1日から商業捕鯨が再開されます。田中店主は「これを機に、街全体が元気になってほしい」と大きな期待を寄せています。私は、かつて庶民の味として親しまれた鯨肉が、この再開を機に、高たんぱく・低脂肪という現代のニーズに合った食材として、そして釧路の歴史と伝統が詰まった食文化として、再び注目されることを強く願っています。

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