Uターン就職の波が来る!北陸3県出身学生の地元就職希望が5年ぶり上昇、その背景と未来

2020年(令和2年)3月卒業予定の大学生の就職活動に関して、明るい兆しが見えています。就職情報大手であるマイナビが2019年(令和元年)5月28日に発表したUターン・地元就職に関する調査結果によりますと、北陸3県(富山県、石川県、福井県)の高校を卒業した学生のうち、地元での就職を希望する割合が56.7%に達したそうです。これは、前年の2019年(平成31年)卒業予定者と比較して6.5ポイントも上昇しており、実に5年ぶりの上昇となりました。全国平均の49.8%を大きく上回るこの結果は、学生の意識が地元へと回帰しつつあることを示していると言えるでしょう。

現在の就職市場は、学生に有利な売り手市場が続いていますが、今回の地元就職希望率の上昇は「地元エリア外へ進学した学生で地元就職を希望するケースが増えた」ことによってもたらされたと、マイナビの担当者は分析しています。地方自治体による手厚い支援策が、このUターン傾向を後押ししているようです。例えば、富山県では、進学先から地元に戻って就職活動を行う際の交通費を、年間1万円を上限に補助する制度を設けており、こうした支援が学生にとって大きな助けとなっているはずです。交通費の負担は、地元から離れて進学した学生がUターン就職を考える上での大きな障壁となりがちですから、自治体の取り組みは非常に重要だと考えます。

一方で、SNS上では「地元に帰りたいけど、面接の度に帰省するのは大変」「Web面接が増えれば地方からも就活しやすいのに」といった声も上がっており、物理的な距離が依然としてネックとなっていることが分かります。また、今回の調査で上昇を牽引した地元エリア外進学者(大学などで進学のために地元を離れた学生)が地元就職を希望する割合は36.7%と、半数にも満たないのが現状です。これは、地元就職を増やすにはまだまだ課題があることを示唆しています。

実際に、調査を開始した2012年(平成24年)卒業予定者の希望率が67.5%であったことと比較すると、今回の56.7%という水準は、依然として10ポイント以上低い水準にあります。この差を埋めるためには、企業や自治体によるさらなる努力が必要不可欠です。マイナビは、「Uターン就職を増やすにはWeb面接などの環境整備が重要」であると指摘しています。Web面接とは、インターネットを通じて遠隔地の学生と面接を行う手法で、交通費の負担や移動時間を大幅に削減できるメリットがあります。今後、企業側がこうしたデジタルツールを積極的に導入し、学生が地理的な制約を感じずに就職活動を行える環境を整備していくことが、北陸の未来を担う人材を確保する上での最重要課題となるでしょう。

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