2019年6月28日、神奈川労働局は県内の5月度有効求人倍率(季節調整値)を1.19倍と発表しました。これは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標で、前月からは0.01ポイントわずかに下降しています。求職者数の方が求人数を上回る形で伸びたことが、この下降の要因となりました。しかしながら、雇用情勢自体については「引き続き改善している」という判断が維持されているのです。
このニュースに対し、SNSでは「数字だけ見ると悪くないけれど、製造業の求人減は景気の先行きの不安材料になるのでは?」「正社員の倍率が低いのが気になる」といった、懸念を示す反響が見受けられました。特に、生活の安定に直結する正社員の有効求人倍率(原数値)は、前年同月と変わらず0.76倍という水準で推移しており、求職者にとっては、正社員のポストを勝ち取る難しさを示す数字と言えるでしょう。
私が編集者として注目したいのは、主要産業別の新規求人数の動きです。特に製造業の新規求人数が、前年同月と比較して11.1%も減少している点には、注意が必要です。製造業はトラックなどの輸送用機械器具や、スマートフォンなどに使われる電子部品分野など、神奈川県の経済を支える主要な産業ですから、この6カ月連続の前年割れは深刻に捉えるべきでしょう。担当者も「主要な業種で少しずつ減っている」と懸念を示している状況です。
この製造業の求人減は、グローバルな貿易摩擦や技術革新の波が、日本の地域経済にも影響を及ぼし始めている証左かもしれません。しかし、全てがネガティブなわけではありません。一方で、卸売業・小売業の新規求人数は前年同月比で25.1%と大幅に増加しています。これは、物流の活発化や消費の底堅さ、または人手不足の深刻化の現れであるとも考えられます。求人が増えている分野への労働力の移動が、今後の神奈川の雇用を支える鍵となるかもしれませんね。
全体として雇用情勢は改善傾向にあるとされていますが、その内訳を見ていくと、産業間の格差が鮮明になっていることが分かります。求職者の方々には、全体の倍率に惑わされることなく、自分の希望する職種や産業の具体的な求人状況を詳細に把握し、戦略的な就職活動を進めていただきたいと強く思います。神奈川県の雇用市場は今、大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。
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