2019年5月29日、横浜市のカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致の是非を巡る議論が、一層熱を帯びていることが報じられました。IRとは、カジノに加えて、国際会議場や高級ホテル、劇場、商業施設などが一体となった複合施設のことを指します。横浜市は、このIR誘致に向けて民間事業者からの開発構想案をまとめた資料を公表し、その中で巨額な経済効果が見込まれることを示しましたが、一方で地元の有力な団体は、カジノの設置に強く反対する姿勢を鮮明にしており、関係者の間で様々な思惑が激しく交錯している状況です。
市がまとめた報告書には、IR参入に意欲を示す12事業者の開発構想案が盛り込まれており、その全てが誘致の候補地として山下ふ頭を想定しています。提案された整備内容としては、国際展示場や国際会議場、高級ホテル、劇場、商業施設などの建設が含まれています。これらの構想に基づいた投資見込み額は、約6,200億円から最大で1兆3,000億円という規模に上ると予測されているのです。
そして、開業後の経済効果についても驚くべき予測が示されました。波及効果を含めると、その経済効果は年間約7,700億円から最大で1兆6,500億円に達すると見込まれています。また、年間訪問者数は約800万人から5,200万人、そして地方自治体への増収効果は年間約600億円から1,400億円が見込まれるとのことです。報告書は、これらの数字を基に「これまでにない経済的社会的効果が見込まれることが示された」と結論付けており、市はこれを誘致の是非を判断するための重要な材料の一つにする意向を示しています。
🚢**「カジノは市民生活を狂わせる」港運業界の反対姿勢**
経済効果の面から誘致に賛成の立場を取ってきた横浜商工会議所は、2019年度中にIR誘致を目指す「推進協議会」を発足させる方針を5月23日に明らかにしました。このように誘致を支持する動きがある一方で、強力な反対意見も存在しています。それが、横浜市の港湾事業者を束ねる横浜港運協会の動きです。同協会の藤木幸夫会長は、5月15日に、同じ山下ふ頭の開発について、カジノを抜きにして観光施設や国際展示場などを整備することを目指す「横浜港ハーバーリゾート協会」を設立したと発表しました。
藤木会長は、カジノが開設されることによって、ギャンブル依存症が拡大するのではないかという市民の根強い懸念を念頭に、「カジノは反対だ。市民生活が狂ってしまう」と強く訴え、誘致に明確に対立する姿勢を示しています。ギャンブル依存症とは、ギャンブルをする行為がコントロールできなくなり、社会生活に支障をきたす精神疾患を指す専門用語です。市民の間でも、この依存症問題に対する懸念は払拭されておらず、IR誘致の是非は依然として不透明な状況が続いていると言えるでしょう。
🧐市長は「白紙」の姿勢を堅持。判断は夏以降か
横浜市の林文子市長は、これまで一貫してIR誘致の是非について「白紙」という見解を繰り返しています。市は、市民の意見を広く聴取するため、2019年6月下旬に市民向け説明会を開催することも検討しているとのことです。今後も引き続き事業者から情報提供を求め、これらの情報や市民の意見などを総合的に判断し、IR誘致の是非については夏以降に結論を出す見通しだと伝えられています。
SNS上では、「経済効果は魅力的だけど、ギャンブル依存症は怖い」「カジノ抜きで開発してほしい」「横浜の港の景観を守ってほしい」といった、期待と不安が入り混じった様々な意見が飛び交っています。私自身の考えとしては、IR誘致は、横浜市に巨額な経済効果をもたらす可能性がある一方で、カジノによる社会的な負の側面、特にギャンブル依存症対策や治安維持といった課題を無視することはできません。市は、経済的メリットだけでなく、市民の安心・安全を最優先に考えた上で、透明性のある議論を経て最終的な判断を下すべきだと強く主張いたします。
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