札幌から世界へ!映画ロケ誘致の立役者・李嘉兒さんが仕掛ける「聖地巡礼」ブームと4カ国語の「おもてなし」

2019年07月01日、北海道の魅力を世界に発信する一人の女性に注目が集まっています。札幌市が出資する「さっぽろ産業振興財団」で、映画やドラマのロケ誘致・支援を行う「札幌フィルムコミッション」に所属する李嘉兒(り・かじ)さん、33歳です。彼女は香港出身でありながら、日本語、英語、北京語、広東語という4つの言語を自在に操るマルチリンガルとして活躍しています。なんと年間約150本もの映像作品のスケジュール調整やエキストラ手配をこなし、札幌の街を「世界のロケ地」へと変貌させているのです。

李さんのキャリアは波乱万丈です。もともと香港の大学で映画を専攻し、現地のテレビ局で報道ディレクターとして働いていました。しかし、2008年のリーマン・ショックが彼女の運命を大きく変えます。多くの同僚がリストラされる厳しい現実を目の当たりにし、「どうせ会社の先行きに怯えるなら、自分の本当にやりたいことをしよう」と一念発起。大好きだった日本の映像作品への憧れを胸に、北海道の地を踏みました。日本語学校、映像制作会社を経て現在のポジションに就いた彼女の情熱は、まさにドラマのような展開と言えるでしょう。

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「フィルムコミッション」という仕事の裏側と醍醐味

ここで、李さんが所属する「フィルムコミッション」という組織について解説しましょう。これは、映画やテレビドラマ、CMなどの撮影場所(ロケ地)の誘致や、撮影がスムーズに進むように支援する公的機関のことです。華やかな映像業界の裏方として、行政や地域住民との調整を行う非常に重要な役割を担っています。李さんの仕事は撮影中のサポートだけにとどまりません。クランクアップ後も、映画とコラボした市電を走らせたり、観光客向けのロケ地マップを作成したりと、映像を通じた地域振興に奔走しています。

その努力は、確実な成果として表れています。特に、札幌を舞台にしたフィリピン映画『キタキタ』の大ヒットは記憶に新しいところでしょう。この作品は現地フィリピンで空前の北海道ブームを巻き起こしました。SNS上では、映画の舞台となった場所を訪れるファンたちが写真を投稿し、「聖地巡礼」を楽しむ様子が数多く見受けられます。インバウンド需要が高まる中、映画というコンテンツが持つ発信力と、それを支える李さんのような「招き人」の存在が、地域経済に与えるインパクトは計り知れません。

編集後記:情熱が国境を越えるとき

李さんは「大好きな札幌の魅力を世界に発信できることが一番のやりがい」と笑顔で語ります。私自身、メディアに携わる人間として、彼女の「好き」を原動力に行動する姿勢には強く心を打たれました。単に言語ができるだけでなく、その土地への愛着と映像への情熱があるからこそ、海外の制作チームと地元・札幌の架け橋になれるのだと感じます。これからの時代、観光客を待つだけでなく、こちらから魅力を「演出」して届ける攻めの姿勢が不可欠です。

年間150本という数字は、単なる業務量ではなく、彼女が世界と札幌を繋いだ「絆」の数でもあります。李さんのような情熱的なプレイヤーがいる限り、札幌、そして北海道の映像文化は、ますますグローバルな広がりを見せていくことでしょう。次はどのような作品が札幌の街を切り取り、世界中の人々を魅了するのか、今後の展開から目が離せません。

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