🚀歴史的快挙! 米景気拡大が過去最長へ突入!しかし潜む「老い」と金融緩和頼みのひずみとは?【2019年7月最新分析】

【ワシントン発】2019年7月、アメリカ経済は歴史的な節目を迎えました。2009年7月から始まった景気拡大局面が、いよいよ11年目へと突入し、記録が残る1850年代以降で過去最長記録を更新する見通しだからです。この底堅い成長の背景には、失業率が約半世紀ぶりの水準まで低下するなど、劇的な雇用環境の改善がありました。しかし、世界最大の経済大国であるアメリカの躍進の裏側には、貿易摩擦の激化や経済の「老い」とも呼べる構造的な課題も影を落としています。

リーマン・ショックに端を発した2008年の金融危機を経て、アメリカ経済は主要国に先駆けて回復軌道に戻りました。2019年6月で丸10年が経過し、アトランタ連銀の試算では2019年4月~6月期の実質成長率は1.9%となる見込みで、過去最長だった1991年4月~2001年3月の「丸10年」に並ぶことになります。この勢いが7月以降も継続し、7月~9月期も拡大が続くとの見方が優勢です。

しかし、この10年間の景気拡大は、過去の拡大期と比べると成長のペースは穏やかです。1991年~2001年の年平均成長率が3.6%だったのに対し、今回はわずか2.3%にとどまっています。金融危機からの企業投資などの回復が遅れた影響もあり、「長寿命ながら低空飛行」を余儀なくされている状況といえるでしょう。実質GDP(国内総生産:国内で一定期間内に生み出された付加価値の合計額)の拡大幅を比較しても、今回の10年間で1.25倍に対し、前回の長期間の拡大期(1991年~2001年)では1.43倍に膨らみました。

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経済の「老い」が招く低成長と格差の拡大

景気拡大が低成長にとどまっている大きな要因は、アメリカ経済に忍び寄る「老い」です。最も深刻なのが、労働力の減少です。団塊の世代(ベビーブーマー)の大量退職など、高齢化の影響で、労働参加率は2000年のピーク時67%台から、現在は62%台への低下が続いています。労働力の伸びが年0.5%と、1950年以降の平均1.4%に遠く及ばない状況です。

この労働力の伸び悩みを受け、米議会予算局(CBO)の分析によれば、米経済が持続可能とされる成長速度、すなわち潜在成長率は、現時点で1.8%と大幅に減速しています。1950年代以降の平均3.2%と比べると、その差は歴然です。また、アメリカの活力を生み出す源泉であった企業の開業率(新しく事業を立ち上げる割合)も、1970年代から7ポイントも下がり、現在は10%に過ぎません。産業の新陳代謝が弱まり、結果として経済全体の生産性の低迷という問題にも直面しているのです。

このように経済の成長速度が鈍化している結果、成長の果実の分配が一部の富裕層に偏る弊害も生まれています。所得上位1%層が全所得の20%を独占しており、所得格差は第二次世界大戦時並みに拡大している状況です。この格差の広がりに対し、ドナルド・トランプ大統領と対立する民主党側は、「全国民に雇用を保障する」といった社会主義的な政策を掲げる候補者が増えるなど、2020年の大統領選に向けて大きな争点となりつつあるようです。

金融緩和の「甘え」と高まる危機リスク

過去最長を記録する景気拡大の裏側には、2008年以降、米連邦準備理事会(FRB)が続けてきた大規模な金融緩和政策があります。政策金利は現在も2%台で推移しており、戦後の平均7%を大きく下回る低水準です。この低金利環境の**「甘え」から、連邦政府債務は過去最大の22兆ドル(約2,400兆円)、企業債務もGDP比で46%と、リーマン・ショック前の水準をも上回るほどに膨張しました。

私見ですが、この異常なほどの低金利と過大債務の累積は、拡大期にある経済にとって、非常に大きな構造的なひずみだと考えられます。特に多くの負債を抱えた企業は、ひとたび景気後退期に入れば、他の企業に比べて一層厳しい人員削減などを迫られる可能性が高く、経済全体のリスクを高めてしまうでしょう。

実際、FRBは景気拡大期にもかかわらず、トランプ政権が仕掛ける中国などとの貿易戦争による企業心理の悪化や景気下振れリスクの増大を背景に、「予防的な利下げ」の検討に入りました。低金利の恩恵で市場にひずみが蓄積している状況では、景気後退期の金融危機リスクはかつてないほど高まっていると、FRBも認識している証拠でしょう。

SNSでの反響と今後の展望

この歴史的な景気拡大のニュースに対し、SNS上でも様々な意見が飛び交っています。「失業率3.6%は本当にすごい!」「雇用は良くなっているが、結局は株を持っている富裕層だけが儲かっているのでは?」といった雇用改善を評価する声や、所得格差への懸念を示すコメントが多く見受けられました。また、「貿易戦争の影響で景気後退が秒読みなのでは?」と、今後の動向を憂慮する声も根強く存在しています。

アメリカ経済は、歴史的な拡大を続ける一方で、高齢化や企業のダイナミズムの低下という「老い」、そして金融緩和に依存したことによる「過大債務」**という二つの大きな課題を抱えています。これらのひずみが表面化する前に、持続可能な成長へと舵を切れるのか、トランプ政権の内向きな政策がどのように影響するのか、今後の動きから目が離せない状況です。

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