【2019年地域経済】青森で起業ラッシュ?青森銀行が目標を大幅に超える「717件」の創業支援を達成した理由

地方創生が叫ばれて久しい昨今ですが、本州最北端の地・青森県から、地域経済の底力を感じさせる明るいニュースが届きました。2019年5月28日、青森銀行は2016年度から2018年度までの3カ年をかけた中期経営計画の成果を発表。なんと、掲げていた4つの数値目標をすべて達成するという快挙を成し遂げました。

中でも特筆すべきは、「創業・起業等支援先数」の実績です。当初の目標は累計500件でしたが、ふたを開けてみれば、それを4割以上も上回る「717件」もの支援を達成しました。人口減少に悩む地方において、これほど多くの新しいビジネスの芽が育まれているという事実は、私たちに勇気を与えてくれる数字ではないでしょうか。

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「貸して終わり」ではない、伴走型の支援スタイル

なぜこれほどの実績を残せたのか。その背景には、低金利で融資を受けやすい環境があったことはもちろんですが、それ以上に銀行側の「支援の質」の変化が見逃せません。青森銀行は、外部の支援機関である「21あおもり産業総合支援センター」や「青森県産業技術センター」と連携し、いわゆる「ワンストップ支援」体制を構築しました。

ワンストップ支援とは、あちこちの窓口をたらい回しにされることなく、一箇所で相談から解決まで完結できる仕組みのことです。実際、支援の内容で最も多かったのは、単なる資金の貸し出しではなく、「事業計画の策定や見直し」でした。飲食業やサービス業を中心に、売上を伸ばすための具体的なアドバイスを行うなど、コンサルティング機能を強化したことが功を奏したようです。

SNSでの反響とコラムニストの視点

この発表に対し、SNSなどのネット上では「地銀がちゃんとリスクを取って若手を応援しているのは好感が持てる」「青森で新しい店が増えているのはこういう背景があったのか」といった、驚きと納得の声が上がっています。また、クラウドファンディングの活用など、新しい資金調達手法にも積極的な点も評価されているようです。

一方で、銀行自身の懐事情を見ると、手放しで喜べる状況ばかりではありません。今回の発表では、貸出金の増加額なども目標をクリアしましたが、2019年3月期の決算自体は、資金運用収益の減少などで3年連続の減収減益となっています。本業で利益を出しにくい「冬の時代」にありながらも、地域を育てるという使命を果たそうとする姿勢には頭が下がります。

私は、これからの地方銀行の価値は、金庫番ではなく「地域のプロデューサー」になれるかどうかにかかっていると考えます。青森銀行が見せたこの717件という数字は、銀行が地域と共に汗をかき、新しい価値を創造しようとした確かな証しです。この種がやがて芽吹き、青森の未来を支える大樹となることを期待せずにはいられません。

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