【2019年採用革命】定年目前でも公務員に?長野県が獣医師確保へ「59歳までOK」の衝撃プランを発表

美しいアルプスに囲まれ、農業や畜産が盛んな長野県。しかしその豊かな食の現場裏で、深刻な「人材枯渇」が起きていることをご存じでしょうか。2019年5月28日、長野県庁が発表した獣医師採用に関する緊急対策は、まさに崖っぷちの状況を物語るものでした。昨年度、県は15人の獣医師を募集しましたが、採用できたのはわずか2人。このままでは県の畜産行政が立ち行かなくなるという危機感が、前代未聞の「ウルトラC」とも言える改革を引き出したのです。

今回発表された改善策の目玉は、なんといっても「年齢制限の大幅緩和」です。2019年度の採用試験から、受験可能な年齢の上限をこれまでの40歳から、なんと「59歳」まで一気に引き上げるとのこと。公務員の定年は一般的に60歳ですから、定年まであと1年というベテラン中のベテランでも受験可能という、常識破りの門戸開放です。

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給与アップと「東京出張」選考で猛アピール

もちろん、ただ年齢を広げるだけではありません。獣医師といえば、動物病院を開業したり製薬会社に勤めたりする方が収入が高い傾向にあり、公務員獣医師の給与水準の低さは長年のネックでした。そこで県は、入庁後数年間にわたり月給に数万円を上乗せする「初任給調整手当」の支給を検討しています。これは、民間との給与格差を埋めるための特別ボーナスのようなものです。

さらに、採用活動の場も地元を飛び出します。来る9月には、初めて東京都内で選考試験を実施するそうです。長野県は面積が広く、転勤がネックになることもありますが、入庁後は家庭の事情に配慮した勤務地を選べる仕組みも整えるとのこと。なりふり構わぬこの姿勢からは、「とにかく来てほしい」という県の切実な叫びが聞こえてくるようです。

SNSでの反響とコラムニストの視点

このニュースに対し、SNS上では驚きとともに様々な意見が飛び交っています。「59歳までOKなら、セカンドライフを田舎で過ごしたい獣医には朗報かも」「動物病院の激務に疲れた人には、公務員の安定は魅力的では」といったポジティブな反応がある一方、「数万円の手当がついたところで、開業医との年収差は埋まらない」「もっと根本的な労働環境の改善が必要だ」というシビアな指摘も見受けられました。

私自身、このニュースは単なる地方公務員の不足問題ではなく、日本の「食の安全」にかかわる重大事だと捉えています。公務員獣医師の仕事は、ペットの診察だけでなく、家畜の伝染病予防や食肉の安全検査など多岐にわたります。BSEや豚コレラといった脅威から私たちの食卓を守っているのは、彼ら「公衆衛生の番人」なのです。

15人募集して2人しか集まらない現実は、行政サービスの崩壊すら予感させます。なりふり構わず待遇改善に動いた長野県の決断は、全国の自治体が直面するこの問題に一石を投じる英断と言えるでしょう。果たしてこの改革で、何人の救世主が信州の地に集まるのか。その結果は、日本の地方行政の未来を占う試金石になるはずです。

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