【富山vs石川】受験戦争に異変あり!首都圏が「狭き門」になった今、富山の高校生が金沢を目指す切実な理由

富山県の高校生の皆さん、そして親御さんたち。最近、進路選びの話題で「東京よりも金沢」という声を耳にすることが増えていないでしょうか。実は今、富山の受験地図に大きな変化が起きています。

2019年5月28日現在、最新のデータによると、富山県の高校からお隣・石川県の4年制大学へ進学する割合が急増しているのです。2018年春の実績では、その比率は21.5%。なんと5人に1人以上が、県境を越えて石川のキャンパスライフを選んでいる計算になります。

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東京への憧れを阻む、国の「定員厳格化」という壁

2015年の北陸新幹線開業時には「これで東京への進学が増える」と予想されていました。しかし蓋を開けてみれば、伸びているのは首都圏(1都3県)への進学よりも、石川への進学なのです。

この背景には、文部科学省による「定員厳格化」という政策が大きく関係しています。これは簡単に言えば、「大学は決められた定員を守りなさい、守らなければ国からの補助金をカットしますよ」という厳しいルールのことです。

この影響で、首都圏の私立大学は合格者数を絞り込み、以前よりも格段に入学するのが難しくなってしまいました。結果として、受験生の目が「入りにくくなった東京」から、「魅力的な大学が多いお隣の石川」へと向くのは、ある意味で必然の流れと言えるでしょう。

「家賃補助」に「高大連携」。石川勢の猛烈なアプローチ

このチャンスを石川県の大学側も見逃してはいません。まさに至れり尽くせりの「富山ラブコール」を送っています。

例えば、金沢市にある北陸大学は、富山第一高校と連携協定を結びました。大学の先生が高校に出向いて授業を行ったり、受験対策講座を開いたりと、早い段階から「ウチにおいで」と手招きをしているわけです。

さらに驚くべきは金沢星稜大学の戦略です。2019年から、県外出身者向けに「CLS制度」という支援策をスタートさせました。これは通学費や家賃を月2万円、学食利用を月1万円補助するという、学生のお財布に直結する太っ腹な制度です。

SNS上でも、こうした待遇に対して「金沢の大学、待遇良すぎない?」「東京で高い家賃払って消耗するより、金沢で優雅に学生生活送るほうが賢いかも」「親としては経済的な支援があるのは本当に助かる」といった、羨望と納得の声が多く聞かれます。

人材の奪い合いか、それとも地域の活性化か

富山県内の企業経営者たちの反応は比較的冷静です。データによれば、県外の大学に進んでも約58%は就職時に富山に戻ってくるため、直ちに人材不足にはつながらないと考えているようです。ただ、「外の空気に触れて視野を広げてほしい」という親心にも似た本音もチラリと見えます。

一方、学生を取られる形の富山大学などは危機感を募らせています。データサイエンスの必修化など、独自のカリキュラムで魅力を高めようと必死です。

私はコラムニストとして、この「大学間競争」は決して悪いことではないと思います。学生を惹きつけるために各大学が教育の質やサポートを競い合うことは、結果として北陸全体の教育レベル底上げにつながるはずだからです。富山の学生にとって、選択肢が増えることは喜ばしいことではないでしょうか。

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