2019年07月02日、日本の農業界の未来を左右する大きな人事発表が農林水産省から行われました。これまで国際交渉の最前線で辣腕を振るってきた松島浩道農林水産審議官が退任し、その後任として大沢誠経営局長が抜擢されることが決定したのです。このニュースが報じられると、SNS上では「いよいよ日米交渉が本格化するのか」「適材適所の布陣だ」といった期待の声が数多く寄せられています。
今回、大沢氏が就任する「農林水産審議官」という役職は、農水省における事務方ナンバー2にあたるポストです。主な役割は、海外諸国とのタラフ(関税)交渉や通商問題に関する対外的な調整を一手に引き受けることにあります。いわば、日本の食卓と農家の利益を守るための「外交の司令塔」といえる極めて重要なポジションであり、その動向には国内外から熱い視線が注がれているのでしょう。
大沢氏は、これまでに環太平洋経済連携協定、通称「TPP」の交渉において中心的な役割を果たしてきた人物として知られています。TPPとは、太平洋を囲む国々で関税を撤廃し、自由な貿易を目指すルールのことですが、この複雑な国際ルールの構築に携わった経験は同氏の大きな武器です。まさに国際業務のスペシャリストとしての実績が認められた形での昇進といえるのではないでしょうか。
現在は日米貿易交渉という、日本にとって極めてデリケートかつ重要な局面を迎えています。アメリカ側からの市場開放圧力が強まる中で、省内や関係各所との意見をまとめ上げる「調整役」としての能力が大沢氏には強く期待されています。豊富な海外経験と、経営局長として国内農業の現場を見つめてきた視点の両方を併せ持つ彼なら、難局を乗り越えてくれるはずだと私は確信しています。
編集者の視点から言えば、今回の人事は単なる役職の交代以上の意味を持っています。グローバル化が進む現代において、農業はもはや国内問題だけでは完結しません。国際的な感覚と国内の保護という、相反する課題をどう着地させるのか。大沢氏の手腕によって、日本の農業が新たなステージへと進むことを願ってやみません。今後の彼の活躍から目が離せない状況が続くことでしょう。