【不動産市場の異変】「所有から賃貸へ」の流れが加速!住友・野村が仕掛ける高級賃貸マンションへの大規模投資戦略

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日本の不動産市場に、大きな構造変化の波が押し寄せています。これまで分譲マンションを主力としてきた大手不動産各社が、ここに来て一斉に賃貸マンションの開発に注力し始めたのです。その供給拡大の勢いは目覚ましく、住友不動産は2021年度までに2017年度比で5倍を超える800戸以上の供給を、また野村不動産も2020年度には3倍を超える700戸を計画するなど、軒並み開発を加速させています。

この背景には、消費者の意識変化と、デベロッパー側の事情という二つの側面があります。まず、社会全体で**「持ち家志向の低下」が鮮明になっている点が挙げられます。総務省のデータによれば、全国の30代の持ち家世帯の割合は、2013年時点で38.6パーセントと、過去20年間で4.2ポイントも低下しているのです。「所有から賃貸へ」という流れが強く、都内の30代男性会社員が「生活の変化に応じて住み替えやすい」と語るように、ライフステージに合わせて柔軟に住居を選びたいというニーズが高まっています。

さらに、分譲マンションの価格が高騰していることも、賃貸で様子を見る消費者を増やしています。野村不動産アーバンネットによる住宅購入の意識調査では、「今が買い時」と答えた人が2019年1月時点で37.9パーセントと2年前より6.7ポイント低下し、「買い時だと思わない」が42.3パーセントと同11.1ポイント上昇しており、消費者の住宅購入に対する慎重姿勢が明確になっています。

SNS上では、「分譲マンションが高すぎて手が出ない」「賃貸の方が身軽でいい」「大手がつくる高級賃貸なら住んでみたい」といった、価格高騰への不満と、賃貸を選択する合理性を評価する声が多く見られます。契約率と発売戸数が低迷する分譲市場に対し、賃貸マンションの着工戸数は年間11万戸前後で安定しており、市場の活況を物語っています。

一方、デベロッパー側の事情として、分譲マンション向けの広い土地の取得が難しくなっている点が挙げられます。分譲は顧客の要求水準が高く、日照や広い用地が求められますが、都心部の一等地は減少し、ホテル開発などとの取得競争が激化しているため、採算が悪化しているのです。これに対し、賃貸物件は比較的狭い土地でも開発しやすいという利点があり、さらには賃料収入という継続的な収益が得られるため、各社は賃貸の強化を通じてリスクを分散させる狙いがあるのでしょう。

住友不動産は、分譲マンションを上回る高品質な設備を誇る高級賃貸マンションブランド「ラ・トゥール」の供給を拡大しています。例えば、2019年春に入居が始まった札幌市の「ラ・トゥール札幌伊藤ガーデン」(総賃貸戸数330戸)では、月額16万~85万円の賃料で、コンシェルジュが来客対応を行うなど、高級感が大きな特徴です。住友不動産の賃貸マンション完成戸数は、2017年度の146戸から2018年度には約760戸へと急拡大し、2021年度には800戸超を目指しています。京都市など地方都市への展開も進めているとのことです。

他の大手も同様の動きを見せており、野村不動産は「プラウドフラット」ブランドで、2018年度に前年度から倍増の400戸を供給し、2020年度には700戸を計画しています。また、三菱地所も「ザ・パークハビオ」を2019年度に約700戸と、前年度より1割増やす方針です。供給の増加に伴い、今後は入居者の獲得競争も激化していくでしょう。

この競争を勝ち抜くため、各社は付加価値を巡る競争にも力を入れています。例えば、三井不動産は2018年に入居が始まった千葉県柏市の超高層賃貸マンションに、保育園や小児科クリニックなどを併設し、子育て世帯を呼び込む戦略をとっています。私は、この大手による賃貸市場への大規模な投資は、日本の住宅市場が「所有」から「利用」へと価値観を大きくシフトさせている明確な証拠だと考えます。今後、賃貸マンションは単なる仮住まいではなく、分譲に匹敵するか、あるいはそれ以上の高品質な「住まい」の選択肢**として、市場に定着していくことになるでしょう。

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