🔥【2019年最新】ドワンゴがAI・不採算ゲーム撤退で「ニコニコ動画」再建に賭ける!会員減少の壁とアベマTV連携の成否は?

老舗インターネット企業であるドワンゴが、事業構造の大胆な見直しを急いでいます。かつて日本のネット文化を牽引した同社は、収益改善を最優先課題とし、不採算部門からの撤退を断行。その経営資源のすべてを、主力サービスである「ニコニコ動画(ニコ動)」の再建に集中させる方針を打ち出しました。しかし、その道は険しいと言わざるを得ません。ニコ動の有料会員数を示す「プレミアム会員」は、2019年3月末時点で180万人と、同年12月末の時点から8万人の減少に転じるなど、厳しい現実が突きつけられています。

この状況下で、ドワンゴはかつての輝きを取り戻せるのでしょうか。2019年5月28日の夕方、東京都中央区で開催された「ニコニコチャンネル」の事業方針説明会に登壇した夏野剛社長は、強気な姿勢を見せました。「ニコニコはオワコン(終わったコンテンツ)だと批判する声もあるようですが、特にニコニコチャンネルは、根強く成長を続けているのです」と明言しました。さらに、「(配信者とファンが)インタラクティブにコミュニケーションできる点が、他のサービスにはないニコニコ独自の強みである」と強調なさっています。

ニコニコチャンネルとは、動画サービス「niconico」内でドワンゴが提供しているサービスを指します。その説明会資料には、好調を示す具体的な数字が並びました。2019年3月期のニコニコチャンネルの会員数は、前年度と比べ約30万人も増加し95万人に到達。さらに、その後も順調に会員数を増やし、2019年4月末にはついに100万人の大台を突破したそうです。また、年間でユーザーが課金した金額も、2019年3月期には55億円を超えたことが報告されており、一定の成功を収めていることが分かります。

2008年から始まったニコニコチャンネルは、企業や団体、そして一般の利用者が自身の「チャンネル」を開設し、動画を配信できるプラットフォームです。現在、有料チャンネルは約1400種類も存在しており、利用者はチャンネルごとに会員登録をしてコンテンツを視聴する仕組みです。月額料金は、チャンネルの運営者が自由に設定できる点が特徴で、スポーツや言論、アーティスト、声優、著名人、人気のゲーム実況など、多岐にわたるジャンルのコンテンツが配信されています。特に、配信者と視聴者がリアルタイムで交流できる双方向性が、根強いファンを獲得している要因でしょう。

ドワンゴは、ニコニコチャンネルのさらなる活性化を目指し、新たな取り組みを予定しています。2019年6月3日には、生放送の視聴者が配信者に対して有料のギフト、いわゆる「投げ銭」を送れる機能を実装する予定です。これにより、配信者へのサポートを強化し、コンテンツ制作の意欲向上につなげる狙いがあると考えられます。また、視聴者がどこから流入してきたのかなどを定量的に分析できる機能も導入する予定であり、チャンネル運営のプロ化を促進するでしょう。

夏野社長が2019年2月に就任して以降、ドワンゴは不採算事業の見直しを積極的に進めています。例えば、不振が続いていた位置情報を使ったスマートフォン向けゲーム「テクテクテクテク」は、2019年3月に6月のサービス終了が発表されました。さらに、未来を担う分野と思われていた人工知能(AI)研究を手掛けていた「ドワンゴ人工知能研究所」も閉所されることになりました。これは、短期的には痛手かもしれませんが、主力の再建のためにはやむを得ない選択と集中だと言えます。

他にも、ドワンゴなど合計5社が2018年12月に立ち上げた、Vチューバー(バーチャルユーチューバー)の育成やプロデュースを行う事業会社「リド」も、2019年4月に早くも解散しました。また、ドワンゴとワタナベエンターテインメントが2016年2月に設立し、Vチューバー「葉邑ゆう」の運営などを担っていた「ワタナベアマダクション」も解散を決定するなど、非効率な事業は次々と整理されている状況です。これは、ドワンゴの強い決意の現れであり、会社全体をスリム化し、残された「ニコニコ動画」に経営資源を集約する姿勢が明確に示されています。

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ニコニコ動画再生の切り札:アベマTVとの業務提携

不振事業を整理する一方で、ドワンゴが最重要視し、大きくテコ入れに力を入れているのが主力のニコニコ動画です。その最大の注目策として、2019年3月末にサイバーエージェントの子会社でインターネットテレビを展開するアベマTV(AbemaTV)との間で、番組配信に関する業務提携が結ばれました。この提携により、2019年4月1日からネットテレビ「アベマTV」の公式チャンネルがニコニコ動画内に開設され、オリジナル番組を中心に配信を開始しています。

配信されるコンテンツには、トーク番組やドラマのほか、プロマージャンリーグの「Mリーグ」の試合、そして将棋の対局などが含まれます。ニコニコ動画ならではの視聴者コメント機能はそのまま利用でき、番組を見ながらコメントを書き込める仕組みです。この提携は、両社の相乗効果を狙ったものです。2019年3月に都内で開催された提携会見では、アベマTVの社長も兼務するサイバーエージェントの藤田晋社長が、「ニコニコを入り口にして、アベマTVを見始めるユーザーが今後増えるだろう」と期待を表明しました。

一方の夏野社長も、「ニコニコで見られる番組が増えることで、プレミアム会員(有料会員)の増加にも結びつくはずだ」と述べ、この連携がニコ動の再建に向けた起爆剤となることに強い期待感を示しました。しかし、厳しい現実として、収益源であるニコ動の有料会員数の減少には、まだ歯止めがかかっていません。2019年3月期のニコニコ動画などウェブサービス事業の営業利益は約25億円の赤字となっており、ドワンゴは2020年3月期に3億円の黒字化を目指すという、非常にアグレッシブな計画を立てています。

かつては、個人が動画を投稿する場所と言えばニコニコ動画が代名詞でしたが、現在ではすっかりYouTube(ユーチューブ)にその主役の座を奪われてしまっています。ニコ動が急速に利用者を拡大できた背景には、「ニコ生」(ニコニコ生放送)という革新的なサービスがありました。個人の配信者がライブで雑談やゲーム実況、演奏などを放送し、それに対して視聴者がコメントを打ち込むと、その文字が画面上にリアルタイムで字幕のように流れるという画期的な仕組みです。この、他社のサービスにはない双方向性と、誰でも手軽にリアルタイムで「放送」ができる利便性が評価され、ニコ動の有料会員は2016年9月にはピークとなる256万人にまで拡大したのです。

スマホ時代の波に乗り遅れたニコ動の課題

ニコニコ動画にとっての大きな転機は、スマートフォンの台頭でした。ニコ動は、サービス開始当初、基本的にパソコンでの配信や視聴を想定して設計されていたため、スマホアプリの使い勝手が他のサービスに比べて劣っていました。月額540円の有料会員になっても、得られるメリットが他の動画配信サービスと大差なくなってしまったことが、結果的に多くの利用者離れを招くことになったと言えるでしょう。その間に、YouTubeでは大量の視聴数を稼いで広告収入を得る「YouTuber(ユーチューバー)」が台頭し、ニコ動からも多くの人気配信者が離れていく要因となってしまいました。

しかし、ニコニコチャンネルには、独自の価値があるという声もあります。2019年5月28日のイベントには、ニコニコチャンネルで人気の配信者であるメンタリストDaiGoさんが参加し、「動画への入り口はYouTubeで良いかもしれませんが、サブスクリプション(定額制)での安定した収入を得るなら、現在の日本ではニコニコが優秀なサービスだ」と熱心にアピールされました。この発言は、収益化の観点から見ると、ニコニコチャンネルが配信者にとって魅力的なプラットフォームであることを示唆しています。

私の意見としては、ニコニコ動画は単なる動画サービスを超え、「初音ミク」などのボーカロイドや、アニメ「涼宮ハルヒの憂鬱」、そして音楽ゲーム「アイドルマスター」などの文化的な火付け役となるなど、かつては日本のネット文化における最重要の発信基地であったと強く感じています。その功績は計り知れません。事業の選択と集中を経て、経営資源をすべてニコ動の再生に投入する今回のドワンゴの判断は、この偉大な文化をもう一度盛り上げようとする、まさに背水の陣の試みと言えるでしょう。

ニコニコ動画は、YouTubeに流れてしまったユーザーを取り戻すことができるのでしょうか。そして、計画通りに黒字化を達成できるのか。ドワンゴの再建に向けた残された時間は、決して多くないと思われます。今後の展開を、IT業界のコラムニストとして、私も引き続き注目していきたいと思います。

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