🌊 「脱プラスチック」時代の衝撃!化学・素材メーカーが挑む「生分解性」と「紙」革命の最前線 🚀

今、私たちを取り巻く環境問題のなかで、特に喫緊の課題として世界中から厳しい目が向けられているのが、海洋プラスチックによる汚染です。使い終わった包装材などが海へ大量に投棄され、その深刻な影響が無視できないレベルに達していることから、国際的な廃プラスチック削減への規制強化が急速に進んでいます。この巨大な環境変化の波は、素材を提供する化学メーカーなどの企業群に対し、従来のビジネスモデルからの脱却、すなわち「脱プラスチック」に向けた抜本的な変革を強く迫っていると言えるでしょう。

この動きは、すでに私たちの生活の身近なところでも顕著になっています。外食チェーンなどでは、プラスチック製のレジ袋や食器の使用を取りやめる動きが広がり、消費者の環境意識も高まってきたのです。こうした背景から、素材各社は、地球に優しい新素材やプラスチック代替品の開発を、まさに待ったなしの状況で急いでいるところです。これは、単なる社会貢献活動ではなく、環境対応こそが新たな収益機会を生み出す重要なビジネスチャンスと捉えられているからにほかなりません。

🔍 注目の新素材「生分解性プラスチック」

なかでも注目を集めているのが、生分解性プラスチックです。これは、土中や海中の微生物の力によって、最終的に水と二酸化炭素などに完全に分解されるという特徴を持つ、環境負荷の低い新素材を指す専門用語です。たとえば、カネカは、株式会社セブン&アイ・ホールディングスと手を組み、2019年秋を目処に、セブン‐イレブン・ジャパンの淹れたてコーヒー「セブンカフェ」用のストローに、100%植物由来の生分解性プラスチックを提供すると発表しています。同社は、兵庫県高砂市の工場で、その生産設備を2019年末までに年産能力5倍の5,000トンへと拡充する計画を打ち出しているのです。

三菱ケミカルもこの分野で大きな進展を見せています。2018年夏には、ストローとしての強度を保てる生分解性素材を開発し、2019年4月からは、京浜急行電鉄グループのホテルや飲食店などで実際にストロー素材として採用が始まったという状況です。さらに、世界の大手化学メーカーであるドイツのBASFも、自然分解する素材をカプセル式コーヒーマシンの包装材料向けに供給するなど、グローバルで「生分解性」へのシフトが着実に進んでいると言えるでしょう。

また、クラレも2020年には米国で植物由来の材料を用いた食品包装材の工場を建設する方針を固めており、欧米や日本のメーカーが、中国などの汎用品メーカーが参入しにくい先端技術を要する高付加価値品分野として、この環境対策を収益機会と見込んで開発に力を入れている側面が垣間見えます。この時代の変化に敏感に対応し、いち早く革新的な素材を市場に投入できる企業こそが、次の時代をリードするでしょう。

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紙製素材が担うプラスチック代替の最前線

プラスチック代替の動きは、化学メーカーだけにとどまりません。国内の製紙大手も、その技術とノウハウを活かし、事業化を急いでいます。王子ホールディングス(王子HD)は、レシートなどに使われる感熱紙の塗布技術を応用し、外部からの酸素や水分の侵入を抑える機能を持つ紙製の食品包装向け素材を開発しました。これは、紙素材でありながら、プラスチックのようなバリア機能を持たせる画期的な取り組みであり、欧州やアジアの食品メーカーへのサンプル出荷を開始し、2019年度中の事業化を目指すとのことです。

日本製紙も、東南アジアの包装材メーカーを買収することで、プラスチック代替となる紙製素材の生産から、実際の包装材への加工までを一貫して手掛ける体制を構築しています。特に海洋汚染が深刻化しているアジア諸国では、紙製素材の需要が急増すると予想されており、この需要を積極的に取り込む姿勢が見受けられます。長年培ってきた製紙技術が、今、環境問題の解決という全く新しい価値を生み出し、高付加価値品へと進化を遂げているのです。

深刻化する海洋汚染と国際規制の波

なぜ、ここまで「脱プラスチック」が加速しているのでしょうか。世界経済フォーラムが2016年にまとめた報告書によれば、ビニール袋やペットボトルなど、少なくとも毎年800万トンものプラスチックごみが海に投棄されていると推計されています。このごみは、紫外線や波によって砕かれ、マイクロプラスチックという5ミリメートル以下の微小な粒となって海中を漂い、有害物質を吸着して生態系に深刻な影響を及ぼすことが懸念されています。

これに対し、国際社会は具体的な行動に出ています。アメリカのスターバックスがプラスチック製ストローの使用中止を決定したほか、フランスや中国などではレジ袋の有料化が義務づけられるなど、世界的に脱プラスチックの流れが拡大しています。また、主要7カ国(G7)首脳会議では、2018年6月に、2030年までにプラスチックを代替品に切り替えるなどして削減する**「海洋プラスチック憲章」が採択されました。さらに、欧州連合(EU)でも、同年10月に使い捨てプラスチックを規制する法案が可決されており、この流れは不可逆的なものと言えるでしょう。

特に重要な動きとして、2019年5月に開催された「バーゼル条約」の締約国会議において、汚れたままの廃プラスチックの輸出入**を規制対象に加える条約改正案が採択されました。これは、途上国などへの廃プラ輸出による環境負荷を問題視したものであり、今後、廃プラのリサイクルシステムの構築が、世界的に一層重要な課題となってくることを意味しています。日本の化学各社にとっても、新素材開発と並び、廃プラのリサイクルシステムの構築が喫緊の課題として突きつけられているのです。

リサイクルシステムに求められる革新

日本国内の廃プラスチックの排出量は、プラスチック循環利用協会の2017年実績で903万トンに上ります。そのうち、輸出を含む全体の86%がリサイクルされていると公表されていますが、バーゼル条約改正により廃プラの輸出が難しくなれば、国内での処理能力の強化が急務となるでしょう。さらに、日本国内のリサイクル分の約7割を占めるのが「サーマルリサイクル」という手法です。これは、廃プラを焼却する際に発生する熱を、給湯や発電に利用するもので、日本では有効なリサイクルとして認識されていました。

しかし、欧米では、焼却時に二酸化炭素(CO2)が排出されるため、サーマルリサイクルはリサイクルの対象と見なされていません。この点について、日本化学工業協会では、実際のCO2排出量の少なさなどを実証中で、「日本のリサイクルシステムの有効性について、国際的な理解を深めたい」との考えを示しています。この課題は、単なる技術の問題ではなく、環境に対する国際的な価値観の違いもはらんでおり、今後、日本独自のリサイクルシステムをいかに世界に発信し、認めてもらうかが重要な焦点となってくるでしょう。

私たちコラムニストの意見としては、この「脱プラスチック」へのシフトは、もはや一時的なブームではなく、持続可能な社会を実現するための必要不可欠な変革であると考えます。化学メーカーが長年培ってきた高分子化学の知恵と、製紙メーカーの繊維技術が融合することで、世界が直面する環境問題に対する革新的なソリューションが生まれる可能性を秘めています。これは、日本の技術力が世界をリードする絶好の機会と捉えるべきでしょう。環境と経済成長を両立させる、グリーンイノベーションの波は、今、まさに高まっていると言えるでしょう。

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