【2019年最新】「本は読む」から「聴く」時代へ!オーディオブック市場成長の鍵と可処分時間の争奪戦

近年、私たちの読書スタイルは大きな変化を迎えているようです。紙の書籍を「目で読む」という従来の常識が、スマートフォンやスマートスピーカーの普及によって、「耳で聴く」という新しい文化へと移り変わろうとしています。この潮流の主役ともいえるのが、オーディオブックという形態でしょう。音声を活用したこの読書体験は、一体どれほどの可能性を秘めているのでしょうか。国内市場を牽引するオトバンクの上田渉会長に、その現状と未来についてお話を伺いました。

日本国内におけるオーディオブック市場は、2017年時点で概算50億円から60億円の規模で推移しており、年率5%から10%という着実な成長ペースを見せています。市場の先駆けであるオトバンクの会員数は75万人を超え、その勢いからも消費者の関心の高まりがうかがえますね。特に、アメリカでは一足先にスマートスピーカーの爆発的な普及によって市場が急拡大し、その規模は3,000億円弱に達しているという事実は、日本の今後の可能性を示唆しているといえるでしょう。

日本でもスマートフォンの普及が進み、耳で書籍を楽しむ環境が急速に整備されてきました。オトバンクの利用者層は、主に30代から40代が中心ですが、最近ではそれ以上の世代、すなわち中高年層のユーザーも増えているそうです。現在、同社が取り扱うタイトル数は約3万点弱で、ビジネス系の書籍の利用が全体の約6割を占めるという点が非常に興味深いですね。これは、多忙なビジネスパーソンが、移動時間や作業中など、目を離せない瞬間に知識をインプットしたいというニーズが強いことを表しているのではないでしょうか。

オーディオブックといえば、「時短」につながるというイメージが先行しがちですが、上田会長によれば、これは「聴き方次第」とのことです。通常の等倍速で聴く場合、目で読む方が早く、例えば10万字の新書であれば、等倍速ではおよそ5時間程度かかってしまいます。しかし、オトバンクの利用者の方々の多くは、1.5倍から2倍速というスピードで聴取しており、この聴き方によって、目で読む場合よりも時間を短縮できているそうです。中には3倍速で聴く方もいるという事実は、耳の学習能力の高さと、効率を追求する現代人の傾向を反映しているでしょう。

私自身の見解としては、このオーディオブックの普及は、現代社会における**「可処分時間」の争奪戦という文脈で捉えるべきだと考えます。私たちは、通勤電車の中、家事の最中、散歩中の移動時間など、実は多くの「耳の可処分時間」を持っています。上田会長も指摘するように、最低でも1日3時間程度の開拓余地があり、これは出かける準備や家事、移動中といった「ながら時間」に集中しています。目の時間はスマートフォンなどの様々なコンテンツによって奪い合いになっていますが、耳の時間にはまだ大きな可能性があります。この「ながら聴き」の習慣化**こそが、市場拡大の鍵となるでしょう。

米国のように市場をさらに大きく成長させるためには、何が必要なのでしょうか。その答えは、オーディオブックの「認知度」をより高めることに尽きるでしょう。「本は耳でも読める」という新しい読書スタイルが一般常識となるかどうかが極めて重要だと、上田会長は強調しています。そして、その認知度向上と習慣化の最大の鍵を握るのは、スマートスピーカーのさらなる普及でしょう。スマートスピーカーを使えば、ハンズフリーで気軽に「聴く読書」をスタートできるからです。SNSでも「#オーディオブック」や「#ながら読書」といったハッシュタグで、スキマ時間を有効活用しているユーザーの投稿が増えており、市場への関心は確実に高まっています。2019年05月31日時点でのこの高まりが、今後の日本の読書文化を大きく変えていくことは間違いありません。

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