👗✨試着が変わる!【DX・アパレル】丹青社の「デジタルミラー」が実店舗と通販の壁を打ち破るか?【MYCLO】

商業施設の内装設計・施工で知られる丹青社が、デジタル技術を駆使した新しい店舗空間の創造に大きな活路を見出しています。同社が新たに開発したのは、試着体験を一新させる「デジタルミラー」です。これは単に店内の視覚効果を高めるだけでなく、「買い方」そのものを変革する可能性を秘めており、ネット通販との共存を模索するアパレル店舗への採用拡大を目指しています。目標は、2020年度中に50店舗への導入達成とのことですから、その本気度が伺えますね。

この革新的なデジタルミラーは「MYCLO(マイクロ)」と名付けられ、試着室内での利用を想定して開発されました。最大の特徴は、試着した服の写真を撮影・保存できる点にあります。商品のバーコードなどをミラーにかざして情報を読み込ませた後、実際に服を試着して写真を撮ると、その試着データがスマートフォンで後日確認できる仕組みです。さらに、ECサイト、つまり「電子商取引サイト」(インターネット上で商品やサービスを売買するウェブサイトのこと)と連携させることで、後からその服をオンラインで購入することも可能になるのです。

MYCLOの強力なアドバンテージは、ブランドの個性やターゲットとする客層に合わせてサービスを柔軟に調整(カスタマイズ)できる点です。例えば、若い世代をターゲットにした店舗であれば、自社のアプリと連携させてダウンロードや会員登録を促進できますし、より高齢の世代のお客様には、携帯電話のショートメッセージ機能を利用した通知で対応可能です。また、商品情報の読み取り方も、QRコードやバーコードなど、店舗のオペレーションに合わせた多様な選択肢が用意されています。

インターネット通販の利用者が増加の一途を辿る中、実店舗を持つアパレルメーカーにとって、いかに来店を促すか(誘客)は喫緊の課題となっています。一方で、「洋服は実際に試着してから決めたい」という消費者の根強い要望は無視できません。MYCLOを導入すれば、お客様が店舗で試着した後、たとえ通販サイトで購入した場合であっても、実店舗での試着行動が購買に与えた影響をより細かく、客観的に分析できるようになります。これは、実店舗の価値をデータとして可視化する画期的なアプローチと言えるでしょう。

さらに、人手不足が深刻化する店舗運営において、業務効率化への貢献も期待できます。例えば、試着室の順番待ちの整理を店員が物理的に行うのではなく、アプリやメールで順番が来たことをお客様に通知すれば、店員さんの手間を大幅に削減できます。アパレル業界では、販促活動などにおけるデジタルの活用が、システム導入や維持にかかる費用の重さ(維持費用の負担)から、なかなか進んでいないのが現状です。丹青社は、内装工事を受注する際に、こうしたデジタルソリューションを積極的に提案することで、従来の枠にとらわれない新しい店舗作りをアパレル側に促していく考えです。

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デジタル未開拓の老舗が仕掛ける新機軸の内装戦略

丹青社は商業施設の内装分野では業界のリーディングカンパニーであり、2019年1月期の売上高は前期比10%増の826億円を達成しています。訪日外国人旅行者の増加を背景に、高級ブランド店の内装なども数多く手掛けていますが、これまでは「デジタル技術」というイメージがあまりなかったと、同社自身も認めています。事実、デジタルを活用した内装プロジェクトの依頼が来ることは少なかったそうです。しかし、内装大手である同社がこの分野に乗り出すことの意味は非常に大きいと私は考えます。

ネット通販と実店舗を連動させる、いわゆる「OMO(Online Merges with Offline)」の仕組みは、すでにIT(情報技術)業界を中心に開発が進められています。丹青社は、長年培ってきた店舗作りのノウハウをこのデジタル技術と融合させることで、アパレル側が潜在的に抱えている、まだ表面化していないニーズを的確に捉えられると見込んでいます。単にデジタルデバイスを設置するだけでなく、内装という空間全体と一体で企画・提案できるのが、同社の最大の強みでしょう。

MYCLOのポテンシャルはアパレルに留まりません。今後は、ウェディングドレスや着物など、特に試着に多くの時間を要する商品を取り扱う分野への導入が検討されています。また、イベントスペースに設置して、単なる試着にとどまらない、写真撮影コーナーとしての用途も想定されています。これは、従来とは異なる新しい顧客層を開拓するチャンスにもつながるでしょう。丹青社のデジタルミラー「MYCLO」は、実店舗の役割を再定義し、新しい購買体験を創造する、まさに時代の要請に応えるソリューションだと言えるでしょう。

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