2019年06月01日、来年に迫った2020年東京オリンピックの聖火リレーにおけるコース概要がついに発表されました。かつて日本中を熱狂の渦に巻き込んだ1964年の東京大会と同様に、今回も全ての都道府県を巡ることが決定しています。しかし、その中身を詳しく紐解いてみると、前回の大会とは全く異なる「新しい形」のリレーが見えてくるのです。半世紀以上の時を経て、私たちの社会が変化したように、聖火リレーもまた、時代に合わせて大きく様変わりしようとしています。
まず、驚くべきはその期間の長さです。今回のリレー期間は約4カ月にも及びますが、これは1964年大会の約4倍にあたります。なぜこれほど長期間を要するのか、その理由は「聖火の運び方」のルール変更にあります。かつての1964年大会では、沖縄に到着した聖火を「分灯(ぶんとう)」という手法で4つに分け、北海道や九州など各方面へ散らしてから、別々のルートで東京を目指しました。この「分灯」とは、元となる火を複数のトーチに移し、同時進行で各地を回る方法のことです。
「分灯」禁止が生んだ一本のドラマ
しかし、現在の国際オリンピック委員会(IOC)の内規では、この「分灯」が禁止されています。「聖火は唯一無二の存在であるべき」という考えのもと、分けずに運ぶことでその価値を高めようという狙いがあるからです。そのため、今回はたった一つの聖火が、一筆書きのルートで日本全国を巡ることになりました。効率を求めて手分けをした昭和の大会に対し、令和の大会は「一つの火」が途切れることなく列島を繋いでいくという、よりドラマチックな展開となるわけです。
また、ランナーの選出基準の変化も、時代の流れを色濃く反映しています。1964年当時は、重いトーチを持って走る体力が必要と判断され、原則として16歳から20歳までの若者で、かつ一定の運動経験者が「正走者」として選ばれました。対して2020年大会では、より幅広い層からランナーを募る方針が打ち出されています。特定の身体能力を持つ若者だけでなく、老若男女問わず多様な人々が聖火をつなぐ姿は、まさに現代の多様性社会を象徴する光景となることでしょう。
SNSでの反応と編集部視点
この発表を受けて、SNS上では早くも大きな反響が寄せられています。「4カ月もかけて回るなんて壮大すぎる!」「自分も走れるチャンスがあるかもしれない」「近所を通るのが楽しみ」といった期待の声が多く上がる一方で、「一本のルートで全国を回るのはスケジュール管理が大変そう」といった運営を心配する冷静な意見も見受けられました。やはり、かつてない規模で行われる国家プロジェクトだけに、国民の関心の高さが伺えます。
私自身、この「一本の道」で繋ぐという変更には、非常に大きな意義を感じています。効率化やスピードが重視されがちな現代において、あえて時間をかけ、一つの火を丁寧に手渡していく行為には、言葉を超えた結束力が生まれるはずです。分灯せずに日本中を一巡りするという困難な道のりだからこそ、最終地点である東京に聖火が到着した時の感動は、1964年を凌駕するものになるのではないでしょうか。来年のスタートが今から待ち遠しくてなりません。
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