2019年7月5日、静岡県内の企業における「BCP(事業継続計画)」の策定状況に関する衝撃的な調査結果が明らかになりました。南海トラフ巨大地震をはじめとする自然災害への懸念が絶えないこの地域において、万が一の事態に備えている企業がいかに少ないかが浮き彫りとなっています。帝国データバンク静岡支店が実施した最新の調査によると、現時点で策定を完了している企業は、全体のわずか2割にとどまっているという実態が見えてきました。
ここで注目すべき「BCP」という言葉ですが、これは「Business Continuity Plan」の略称で、日本語では「事業継続計画」と訳されます。地震や台風といった災害だけでなく、テロやシステム障害などの緊急事態が発生した際に、企業が重要な業務を中断させず、もし中断しても最短時間で復旧させるための具体的な行動指針を指すものです。単なる防災訓練とは異なり、企業の生存そのものを左右する戦略的な計画として位置づけられています。
半数以上の企業が「備え」に苦慮する現状
2019年5月に県内599社を対象に行われた今回の調査では、47パーセントの企業から有効な回答が得られました。その中で「策定済み」と回答したのは20パーセントに過ぎず、「策定中」や「検討中」といった前向きな姿勢の企業を合わせても、全体の約半分という結果になっています。一方で、41パーセントもの企業が「策定していない」とはっきり回答しており、地域経済を支える屋台骨としての準備に、依然として大きな不安要素が残る形となりました。
策定に至っていない最大の障壁として挙げられたのは、作成に必要なスキルやノウハウの不足でした。特に人的リソースが限られている中小企業にとっては、日々の業務を回しながら複雑な計画書を作り上げることは、非常に難易度が高い作業だと言えるでしょう。多くの経営者はその必要性を痛いほど理解しているものの、具体的に何から手をつければ良いのか、誰に相談すべきかが分からず、結果として対策を後回しにしてしまっているのが今のリアルな姿です。
SNSでの反応と編集部が考える今後の課題
このニュースに対し、SNS上では「他人事ではない」「うちはまだ何もできていない」といった不安の声が数多く寄せられています。特に静岡県は全国的にも防災意識が高い地域として知られていますが、ネットでは「個人の備えはしていても、会社としての組織的な仕組み作りはハードルが高い」という意見が目立ちました。自分たちだけではどうにもできないという切実な叫びが、タイムラインからも溢れ出しており、現場の苦悩が伝わってくるようです。
筆者の個人的な見解としては、この現状を打破するためには個々の企業の努力だけに頼るのではなく、行政による一層の支援が不可欠だと考えます。単に策定を促すだけでなく、専門家の派遣や簡易的なテンプレートの提供、さらには策定企業へのインセンティブ付与など、中小企業が「これならできる」と思える具体的な後押しを早急に講じるべきです。地域の雇用と経済を守るためにも、官民が手を取り合った強力なバックアップ体制の構築が今こそ求められています。
コメント