中部主要10信金の2019年3月期決算を徹底解説!低金利時代の苦境と外債運用へのシフトが示す地域金融の未来とは?

愛知、岐阜、三重の東海3県を拠点に活動する主要10信用金庫(預金残高8,000億円以上)の2019年3月期決算が出揃いました。今回の発表では、全体の6割にあたる6つの信金で最終的な儲けを示す「純利益」が前の期を下回るという、非常に厳しい現実が浮き彫りになっています。長期間にわたって続く超低金利政策の影響により、銀行本来の収益源である貸出利息が思うように伸び悩んでいることが、経営の大きな重荷となっているようです。

SNS上では「地元の信金が苦境に立たされているのは不安」「低金利すぎて預ける側も借りる側も複雑な心境」といった、地域経済の先行きを案じる声が多く見受けられます。実際に東海財務局が公表したデータによれば、2019年3月期における管内信金の「貸出金利回り」は1.24%まで低下しました。これは前の期と比較して0.08ポイントのマイナスであり、融資を行っても十分な利益を得ることが極めて難しい、まさに「薄利多売」の状態に陥っていることが伺えます。

ここで専門用語について少し触れておきましょう。「貸出金利回り」とは、金融機関が企業や個人に貸し出したお金に対して、どの程度の利息を得られたかを示す収益性の指標です。また、今回の決算を圧迫した要因として「与信関係費用」の増加も挙げられます。これは、取引先の経営悪化や倒産という万一の事態に備えて、あらかじめ積み立てておくコストのことです。地域経済の不透明感が増す中で、リスクに備えるための出費が利益を削る形となりました。

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貸出業務の停滞と生き残りをかけた資産運用の多角化

具体的な数字を見ていくと、貸出業務における苦戦はより鮮明に浮かび上がります。例えば、碧海信用金庫では2019年03月31日時点の貸出金残高が前期比で1%減少しました。地域を代表する岡崎信用金庫や豊橋信用金庫も微増という結果にとどまっており、資金を必要とする企業への融資が伸び悩んでいる現状が浮き彫りとなっています。これからの時代、ただ融資を待つだけではなく、いかにして新たな資金需要を掘り起こすかが問われているのではないでしょうか。

こうした逆風の中でも、経費削減や国債の売買によって、本業の収益力を示す「実質業務純益」は7つの信金で増益を確保しました。しかし、岐阜、東濃、豊橋の3つの信金は減益を余儀なくされています。特に注目すべきは、保有する資産の中身が劇的に変化している点でしょう。2019年03月31日時点の10信金合計の国債保有残高は、前年比で9%も減少しました。代わって急増しているのが、なんと43%もの伸びを見せた「外国証券」です。

「外国証券」とは、海外の政府や企業が発行する債券などのことです。日本の国債よりも利回りが高い一方で、為替変動などのリスクが伴うため、これに頼る運用はまさに「諸刃の剣」と言えるでしょう。編集者としての私の意見ですが、地域密着を掲げる信金が、収益確保のためにリスクの高い外債へシフトせざるを得ない現状には、一抹の危惧を感じます。地元企業への支援という本来の役割を果たすためにも、収益構造の抜本的な改革が急務だと考えられます。

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