2019年5月31日、東京株式市場において理研グリーンの株価が激しい値動きを見せました。取引開始直後から大量の買い注文が入り、株価は一時、前日比で16%高い574円という制限値幅の上限、いわゆるストップ高水準まで急騰する展開となりました。これは、前日の5月30日に発表された2018年11月から2019年4月期にかけての業績見通し上方修正が、投資家の皆様から好感されたためと考えられます。
しかしながら、この活況は長くは続きませんでした。大引けにかけて一転して売り注文が増え、株価は急落し、終値は前日より6%安い465円で取引を終えることになったのです。市場関係者の間では、この荒い値動きの背景には、短期間での利益確保を目指す個人投資家を中心とした「利益確定の売り」が大きく影響しているとの見方が強まっています。
そもそも、今回の買いの呼び水となったのは、2018年11月〜2019年4月期の連結純利益が、従来の予測を上回り、前年同期比で53%減の9,000万円に着地する見込みだと発表された点です。当初の予測では61%減の7,500万円とされていたため、減益幅が縮小するという点で、業績の改善が評価されました。この純利益の改善には、ゴルフ場などの緑地管理に使われる薬剤を手掛ける同社が、利益率が比較的高い「自社製品」の販売を増やしたことによる採算性の向上や、人件費などのコスト削減努力が大きく寄与しているとのことです。
一方で、会社の発表によると、売上高については、造園工事などの請け負う案件数が減少した影響で、当初の増収予測から一転して1%減の59億円となる見通しです。このことからも、同社の収益構造における課題が浮き彫りになったと言えるでしょう。同社は今後も「独自製品の販売比率を高める」ことで、利益の幅、すなわち「利幅」を確保していく方針を示していますが、この事業戦略の成否が今後の株価の動向を左右する重要な鍵となるでしょう。
急落の背景にある「割高感」とSNSの反響
今回の株価急落の要因として、市場には「収益力に比べてやや買われすぎている」という指摘が出たことも無視できません。松井証券の窪田朋一郎氏も同様の見解を示しています。投資家の間で注目される株価の割安感を測る指標の一つに、「予想PER(ピー・イー・アール:株価収益率)」があります。これは株価が1株当たり純利益の何倍まで買われているかを示すもので、この数値が高いほど「割高」と判断されやすくなります。
理研グリーンの予想PERは13倍台となっており、同業他社であるOATアグリオの6倍台と比較すると、確かに「割高感」があるのは否めません。利益確定の売りに加え、この指標上の割高感が、個人投資家を中心とした売り注文を誘引した可能性は非常に高いでしょう。SNS上でも、「上方修正は良いが、PERを考えると手を出しにくい」「一旦利益を確定するのが賢明」といった、冷静な投資判断を促す声が多く見受けられました。
また、今回の業績上方修正の背景には、「暖冬」の影響でゴルフ場向けの除草剤販売が伸びたという、一過性の要因も含まれています。同社のように、天候などの自然条件に業績が左右されやすいビジネスモデルを持つ企業は、投資家にとって固有の懸念材料となります。この「天候リスク」も、株価の先行きの不透明感を高める一因となっているのです。私は、今回の急騰と急落は、業績の改善材料と、構造的な割高感および天候リスクという、市場が抱える相反する評価がぶつかり合った結果だと見ています。理研グリーン株は、当面、調整局面が続く可能性が高いと予測されるため、今後の独自製品の販売戦略や財務状況の推移を注視していく必要があるでしょう。
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