近年、人々の寿命が延びる**「平均寿命」の伸長が注目されていますが、それ以上に重要な指標として「健康寿命」という概念が重要性を増しています。健康寿命とは、「健康上の問題で日常生活が制限されることなく送れる期間」を示すものです。つまり、単に長生きするだけでなく、寝たきりになったり、誰かの介護が必要になったりせずに、いきいきと自立した生活を送れる期間の長さを表しているのです。厚生労働省は3年ごとに全国の都道府県別「健康寿命ランキング」を公表しており、この数値は、その地域の公衆衛生や健康づくりへの取り組みの結果が色濃く反映される指標と言えるでしょう。
直近で公表された2016年版のランキングでは、愛知県と山梨県が、なんと男女ともにベスト3に食い込むという驚異的な結果を見せました。特に愛知県の強さは特筆すべきもので、女性が76.32歳で堂々の全国1位、男性も73.06歳で3位にランクインしています。この躍進の背景には、40年以上も前から全市町村で「健康づくり活動を担うボランティアリーダー」の育成に地道に取り組んできた、行政と住民が一体となった息の長い活動の成果があると考えられます。山梨県も、男性が73.21歳で1位、女性も76.22歳で3位となり、高い水準を維持しています。
このランキングがSNSなどで公開されると、「自分の住んでいる地域は何位だろう?」「やっぱり愛知はすごい!」といった関心を示す声や、「健康寿命を延ばすために何をすべきか」という具体的な対策を求める反響が多く見受けられました。専門家の間でも、上位に位置する県には「社会参加する高齢者が多い」という共通点があることが指摘されています。つまり、高齢になっても地域社会との繋がりを持ち、活発に活動し続けることが、心身の健康を保つための大きな秘訣となっているようです。
2016年時点での全国平均を見ると、男性は72.14歳、女性は74.79歳となり、前回の2013年版よりは延びています。しかしながら、全国の最上位と最下位の年齢差は2年以上もあり、この差は「健康づくりに対する行政の姿勢や力の入れ方の差」が如実に表れているとも言えるでしょう。私は、行政が「健康」を単なる医療問題として捉えるのではなく、「地域を支える社会基盤」として捉え、予防的な取り組みに積極的に予算と人員を投入していく姿勢こそが、国民全体のウェルビーイングを高めるために最も重要だと考えます。
地域を巻き込む!健康寿命延伸に向けたユニークな取り組み
下位に甘んじている地域でも、健康寿命を延ばすための積極的な取り組みが広がりを見せています。例えば、2016年版で30位台であった大阪府は、ランキングのランクアップを目指し、2018年秋に「健康づくり推進条例」を制定しました。この条例に基づき、健康増進のための10項目をまとめた「健活10(けんかつテン)」を打ち出し、府民の意識改革と行動変容を促している最中です。
また、三重県では、「健康マイレージ事業」が2018年から2年目を迎えています。これは、先行事例である静岡県の取り組みを下敷きにした事業です。具体的には、健康診断やがん検診を受診したり、自治体が開催する運動イベントなどに参加したりした府民に対して、特典付きのカードを発行するというものです。担当者は、特に働き盛りの30代から40代の健康に対する意識を向上させたいと語っており、健康を「見える化」し、「インセンティブ(誘因)」を与えることで、全世代の健康増進を目指しているようです。
これらの取り組みは、住民一人ひとりが「自分の健康は自分でつくる」**という意識を持つきっかけを提供すると同時に、地域全体で健康をサポートしあう環境を整備することの重要性を示しています。各地域の創意工夫を凝らした活動が、今後公表されるランキングにどのように反映されるのか、大いに注目されるところでしょう。
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