全国各地で深刻な問題となっている「未利用地」の解消に向け、政府・与党が動き出しました。2019年11月27日、長く放置されたままの空き地を売却しやすくするため、税負担を大幅に軽減する方針が固まったのです。具体的には、比較的低価格な土地を売却した際、その利益から最大100万円を差し引ける「特別控除」の創設が検討されています。
SNS上では「親から受け継いだ田舎の土地、売っても税金で消えると思っていたから朗報だ」「負動産がようやく動かせるかもしれない」と、期待を寄せる声が目立っています。これまで、売却価格が低くても手続きの負担や税金の重さがネックになり、手放すことを諦めていた層にとって、この100万円控除は非常に強力な後押しとなるでしょう。
現在の税制において、5年を超えて所有した土地を売却して利益が出た場合、所得税と住民税を合わせて合計20%が課税されます。これを「長期譲渡所得課税」と呼びますが、新制度はこの売却益、つまり譲渡所得から直接控除を行う画期的な仕組みです。所有期間が5年超、売却額が数百万円程度の物件が対象となる見込みで、小規模な土地の流通を促す狙いがあります。
なぜ今、空き地対策が必要なのか?
2013年に実施された国土交通省の土地基本調査によれば、利用されていない土地は全国で1413平方キロメートルに達しています。これはなんと、東京23区の面積の2倍を超える広大さです。その約7割が空き地や原野であり、放置され続けることで景観の悪化や不法投棄、さらには防災上のリスクを招くなど、地域社会にとって大きな負担となっています。
私は、今回の税制改正は単なる減税措置ではなく、地域の再生に向けた「最後の一押し」になると考えています。低価格な土地は不動産業者の仲介手数料も安いため、市場から敬遠されがちでした。しかし、税制面での優遇が明確になれば、所有者の「売りたい」という意欲が刺激され、新たな店舗運営や住宅建設など、土地の有効活用に繋がるはずです。
今回の改革には、もう一つの重要な側面があります。それは「所有者不明土地」の発生を未然に防ぐことです。相続が繰り返される中で登記が放置されると、誰の土地か分からなくなり、公共事業の妨げにもなります。手放しやすい環境を整えることは、日本の国土管理を正常化する極めて現実的で賢明なアプローチだと言えるのではないでしょうか。
課税の不公平を解消!使用者への課税検討へ
さらに政府は、既に所有者が不明となっている土地についても、メスを入れる方針です。現在は所有者が特定できないと固定資産税を課せられませんが、今後は実際にその土地を使っている「使用者」に納税義務を課す方向で調整が進んでいます。正直に税を納めている所有者との間で生じている、不公平な状況を改善することが最大の目的です。
地方税法では、これまで震災などの特殊な事情がある場合に限り、使用者を所有者とみなして課税できました。今回の改正では、市町村が調査を尽くしても所有者が判明しない場合に、この対象を拡大する予定です。2020年度の税制改正大綱への盛り込みを目指し、法整備が進められます。土地は国民の大切な資源だからこそ、正当な負担と活用が求められますね。
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