台風19号の教訓:国管理の7河川で緊急速報メールが未配信に。命を守る情報の「空白」を検証

2019年10月に東日本へ甚大な被害をもたらした台風19号をめぐり、衝撃の事実が明らかとなりました。国土交通省は2019年11月14日、氾濫が発生した、あるいはその危険が極めて高かった国管理の7河川において、住民のスマートフォンなどへ届く「緊急速報メール」の配信が行われていなかったことを公表したのです。

今回、情報の伝達が漏れてしまったのは、宮城県の吉田川や長野県の千曲川といった、実際に大規模な浸水被害が発生した地域を含んでいます。特に千曲川や吉田川では、堤防から水が溢れ出す「氾濫」という最悪の事態に陥った際に出される「氾濫発生情報」のメールが、最も必要とされていたタイミングで住民の手元に届きませんでした。

緊急速報メールとは、気象庁や自治体、国などが配信する「エリアメール」のことで、設定不要で特定の地域に一斉送信される仕組みです。これに対し、ネット上では「一番怖い時間に通知が来ないなんて絶望的だ」「テレビが見られない避難中こそメールが必要だったのに」といった、命に直結する情報の欠落に対する不安や厳しい批判の声が相次いでいます。

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混乱が招いた人為的ミスと今後の課題

国土交通省によれば、この事態を招いた要因は、各地で相次ぐ河川の増水により出先機関の現場作業が極めて混乱したことにあるようです。配信作業の過程でヒューマンエラーが発生した可能性が高く、同省の担当者は2019年11月14日の会見で、情報の不備が避難の遅れを招いた恐れを認め、深く陳謝する事態となりました。

未配信だったのは氾濫発生情報だけではありません。宮城県の鳴瀬川や竹林川、茨城県の鬼怒川、群馬県の烏川や碓氷川では、氾濫の危険が差し迫っていることを知らせる「氾濫危険情報」のメールも送られていませんでした。これらは河川の水位が「氾濫危険水位(堤防が耐えられる限界に近い水位)」に達した際に発信されるべき重要な警戒信号です。

各自治体が独自の防災行政無線などで呼びかけを行っていたケースも想定されますが、深夜や豪雨の中では声が届きにくいのが現状でしょう。私は、今回のような極限状態こそ、自動化やシステムの二重化を徹底すべきだと考えます。人の手に頼りすぎる体制が、未曾有の災害時に機能不全に陥った事実は、今後の防災インフラの大きな反省点となるはずです。

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