消費増税と台風のダブルパンチ?2019年10月の衣料・靴業界を襲った「異例の減収」とその裏側

2019年10月の国内アパレル・靴業界は、かつてないほどの試練に見舞われました。日経MJがまとめた主要13社の売上状況によれば、なんと全社が前年実績を割り込むという、極めて厳しい結果となっています。これには消費税率が10%へと引き上げられたことに伴う「駆け込み需要の反動」が大きく影響しているでしょう。

さらに、追い打ちをかけるように大型台風が日本列島を直撃しました。多くの店舗が休業や時短営業を余儀なくされた事態に、SNS上でも「買い物がしたくても店が開いていない」「増税直後で財布の紐が固いところに、この天候は痛い」といった、消費者側の困惑や悲鳴に近い声が多く見受けられます。

スポンサーリンク

紳士服大手や人気ブランドを襲った大幅減収の正体

特に深刻な影響を受けたのが紳士服業界です。AOKIホールディングスは、2019年9月に見せた好調から一転し、26.6%減という大幅なマイナスを記録しました。これは「駆け込み需要」、つまり増税前に安く買おうとする消費行動によって、高単価なスーツや消耗品のワイシャツが9月中に売れきってしまったことが主な原因です。

青山商事についても、2019年10月1日付で商品の8割を値下げするという大胆な戦略に打って出ましたが、27.9%減と苦戦を強いられました。企業側がいかに努力しても、天候と税率変更という抗い難い外部要因が重なると、これほどまでに大きな打撃を受けてしまうものなのかと、改めて小売業の難しさを痛感させられます。

一方で、これまで快進撃を続けていたハニーズやアダストリアといったブランドも減収に転じています。アダストリアに至っては、2019年10月12日の台風19号の影響で、全店舗の約6割にものぼる800店が営業を見送りました。月前半の気温が高かったことも、防寒着などの単価が高い「秋冬物」の初動を鈍らせる要因となったようです。

逆境で見えた光と、回復への兆し

厳しい数字が並ぶ中、ユニクロは期間限定のセールを仕掛けることで客数を確保し、減少幅を1.9%にとどめる粘り強さを見せました。また、靴専門店のチヨダは「売り尽くしセール」などの販促施策に加え、記録的な豪雨の影響で雨靴の需要が急増したことにより、0.9%減という微減で踏みとどまっています。

編集者としての視点で見れば、今回の全社減収は単なる景気後退というよりも、複数の不運が重なった「一時的なブレーキ」という側面が強いと感じます。実際に2019年10月下旬からは気温の低下とともにコートやニットの動きが活発化しており、現場からは「客足は戻りつつある」という前向きな報告も聞こえてきています。

増税という壁を乗り越えるには、価格戦略だけでなく、天候などの変化に即応できる柔軟な店舗運営が今後ますます重要になるでしょう。この苦境をバネに、各社がどのような冬の商戦を描くのか、引き続き注目していきたいところです。消費者のニーズは消えたわけではなく、きっかけを待っている状態だと言えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました