宅配の強みで挑む地域連携!日本生協連の本田英一会長が語る「2020年の生協が目指す社会貢献と災害支援の未来」

私たちは日々、便利さを求めて買い物をしていますが、本当に大切な価値はどこにあるのでしょうか。日本生活協同組合連合会(日本生協連)の本田英一会長は、2020年の重要なテーマとして「自然災害への対応」を掲げています。生協の本質は単に商品を販売することではなく、困ったときに生活を支え合う点にあると言えるでしょう。SNSでも「被災時に生協のトラックを見かけると安心する」といった声が多く寄せられており、人々の暮らしに寄り添う姿勢が今まさに評価されています。

生協最大の強みは、全国の細い生活道路まで網羅できる約2万5000台の宅配車両を保有していることです。2019年10月12日に発生した台風19号の際には、被災地以外の地域生協から70人もの職員が応援に駆けつけ、迅速な支援活動を展開しました。行政の手が届かないような緊急事態において、この機動力は極めて大きな役割を果たします。利便性だけを追求する現代だからこそ、こうした人と人とのつながりや、泥臭くも温かいサポート体制が私たちの安心感を支えているに違いありません。

また、ボランティア活動を経験した職員は、現場で生じる小さな変化やニーズを敏感に察知する能力が養われるそうです。マニュアル通りの業務をこなすだけでなく、自発的に困っている人のために動く姿勢は、通常の宅配事業にも確実に生かされます。組合員が本当に求めているものを理解しようとする心の在り方が、生協全体のサービス向上へと直結しているのでしょう。私個人としても、このような当事者意識を持ったスタッフが増えることは、地域社会の質を高める原動力になると確信しています。

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巨大IT企業には真似できない地域に根ざした流通の形

昨今では、GAFAに代表される巨大IT企業が、圧倒的な資金力で便利な宅配サービスを拡大させています。ここで言うGAFAとは、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルという世界的なプラットフォーム企業4社の頭文字をとった言葉です。本田会長は、こうした利便性に感心しつつも、日本の流通業が正面から彼らと戦うのは困難であると分析しています。利益のみを追い求めるビジネスモデルが転換期を迎える中、今後は「社会的な存在意義」があるかどうかが問われる時代です。

デジタル技術がどれほど進化しても、すべての人がその恩恵を受けられるわけではなく、どうしても取り残されてしまう人々が生じます。これからの流通業が多くの支持を集めるためには、社会貢献を意識した地域社会との密接な協力関係が欠かせません。地方自治体が頭を抱えている孤立化や買い物難民といった課題も、生協が培ってきた配送網やノウハウを活用すれば解決の糸口が見つかるはずです。ITがもたらす効率性とは対極にある、泥臭い地域密着の姿勢こそが突破口になるでしょう。

生協の根本にある理念は、自分たちの手で暮らしをより豊かなものに変えていくという主体的な精神に基づいています。画一的な全国統括を目指すのではなく、地域ごとの特性に合わせた生活支援を重視しているため、組織の肥大化そのものは目的ではありません。共通して流通させるべき商品については、日本生協連が「コープ商品」として開発や生産を担う役割分担が成立しています。このバランス感覚こそが、全国一律のサービスでは対応できない細やかなケアを可能にしています。

少子高齢化や単身世帯の増加といった構造的な問題に対しては、国が想定する「標準的な家族モデル」の施策だけでは解決できない事態が増えています。だからこそ、現場の状況をよく知る各地域の生協が、地元の行政や民間企業と手を携えて個別の課題に向き合う必要があります。自国中心主義が世界に広がる今、目前に迫る東京五輪を国境を越えて結束する好機と捉える本田会長の広い視野には深く共感いたします。私たちも身近な組合活動を通じて、より良い社会の形を模索したいものです。

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