洋服の青山が仕掛ける店舗DX!地方店が仕掛けるネット販売融合と驚きの複合店戦略とは?

私たちの生活に身近な紳士服に、いま大きな変革の波が押し寄せています。業界最大手である青山商事が、地方や郊外にある路面店の抜本的な改革を急いでいるのです。ビジネスウェアのカジュアル化や若者のスーツ離れが進む中、同社は従来の販売スタイルを大きく変えようとしています。ネット通販と実店舗を融合させた最先端の取り組みは、これからの買い物体験を大きく変える可能性を秘めているでしょう。

その中核を担うのが、2016年に誕生した新業態「デジタル・ラボ」です。これまで都市部の小型店舗を中心に展開されてきましたが、今後は郊外や地方の大型店へも積極的に導入されます。2019年12月には新たに6店舗が開設され、将来的には100店舗体制を目指して拡大していく方針となっています。ネット社会における実店舗の価値を再定義する、同社の強い決意がうかがえるのではないでしょうか。

このデジタル・ラボが提案するのは、「お店で試着してネットで買う」という画期的な仕組みです。来店したお客様は、店内でサイズ感を確かめた後、大型タッチパネルやiPadを使って注文を行います。1000万点を超えるEC(電子商取引)サイトの膨大な在庫からお気に入りの一着を選べるため、サイズや色、柄の選択肢が格段に広がりました。商品は補正後に最短2日で自宅へ届くため、当日は手ぶらでスマートに帰宅できます。

ネット上では「スーツを買いに行って手ぶらで帰れるのは本当に楽」「店舗に在庫がなくても安心」といった好意的な声が多く寄せられています。このDX、つまりデジタル技術によるビジネス変革は、ユーザーの利便性を向上させるだけでなく、店舗側にとっても膨大な在庫スペースを削減できるという大きなメリットをもたらすのです。これによって生まれた余剰スペースを、同社はさらに驚くべき方法で活用し始めています。

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焼肉にジムも?スーツ売り場が異業種と融合する新しい街の拠点へ

驚くべきことに、縮小されたスーツ売り場の跡地には、これまでの紳士服店の常識を覆す施設が登場しています。すでに同社は「焼肉きんぐ」などの飲食店を併設した店舗を郊外中心に展開しており、2019年11月にはスポーツジム「エニタイムフィットネス」を組み合わせた複合店もオープンしました。服を買いに行くだけの場所から、食事や運動を楽しめる複合的な空間へと進化を遂げているのです。

この大胆な戦略の背景には、全国的なビジネスウェアの軽装化があります。総務省の家計調査によると、2人以上の世帯におけるスーツへの年間支出額は、2000年には約10000円だったものが、2018年には5161円へとほぼ半減してしまいました。かつてIT企業から始まったカジュアルな服装スタイルは、クールビズの定着を経て、2019年には大手銀行が導入するほど日本社会全体へ深く浸透しています。

こうした市場の激変を受け、同社は2020年3期の最終損益が、1964年の創業以来初となる赤字に転落する見通しとなりました。既存のビジネスモデルからの脱却はまさに死活問題であり、2019年10月には商品の約8割で表示価格を引き下げ、不透明だった店頭での価格交渉を原則廃止する構造改革にも踏み切っています。全国に800以上の店舗網を持つからこそ、地方店の再生は急務と言えます。

単に売り場を縮小するだけでなく、地域の人々が集まる異業種と手を組むことで、新たな客層を呼び込む戦略は非常に理にかなっていると感じます。スーツが必要なときだけ訪れる場所から、日常的に通う場所へと変貌させることで、厳しい時代を生き抜く新しい地方店舗のあり方が見えてくるはずです。デジタルとリアルの強みを融合させたこの挑戦が、紳士服業界の未来を明るく照らす先進事例になることを期待します。

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