香川県が誇るソウルフードである讃岐うどんが、今まさに介護の現場に新しい風を吹き込んでいます。うどん店「こだわり麺や」を展開するウエストフードプランニングは、手軽にうどん打ちを体験できる冷凍生地を販売し、施設でのレクリエーションとして大きな注目を集めているのです。毎日の生活がマンネリ化しがちな入居者の方々にとって、この取り組みは素晴らしい刺激となっているに違いありません。
介護の現場において、楽しみながら体を動かすレクリエーションは非常に重要な役割を担っています。このうどん打ちの素晴らしい点は、一連の作業がそのまま効果的な機能訓練になることでしょう。専門的な言葉で言えば、生地を力強く踏む動作は「下肢(かし)」、つまり太ももやふくらはぎといった足全体の運動になります。さらに、生地を麺棒で丁寧に伸ばす作業は「上肢(じょうし)」と呼ばれる腕や肩の運動を優しく促すのです。
SNS上でも「お年寄りがイキイキと楽しんでいる姿に感動した」「リハビリと美味しい食事が一度に叶うなんて画期的」と、多くの絶賛の声が寄せられています。2017年から販売が開始された「うどんレク元気玉」は、1玉500円(税別)で3人から5人前という手頃さも魅力です。これまでに全国約800箇所の施設や学童保育所で導入され、大手介護企業のツクイでも採用されるほどの広がりを見せています。
2020年01月16日現在、この取り組みは香川県内だけに留まらず、広島県や滋賀県、さらには宮崎県といった四国外の地域へも急速に拡大中です。かつて自宅でお盆や正月にうどんを打ってもてなした記憶を持つ地元の高齢者からは、「懐かしい」「昔は得意だった」と笑顔が溢れています。一方で県外の参加者にとっては、本場の讃岐うどんを自分で作って味わえるという目新しさが、大きなワクワク感を生んでいるようです。
誰もが主役になれる工夫と予防医療への広がり
この商品の開発元は、1998年の創業以来培ってきたノウハウを活かし、誰もが安全に楽しめる工夫を凝らしています。車椅子を利用されている方には座ったままで足踏みを体験してもらい、包丁で麺を切るのが難しい場合には簡易製麺機を用意するなど、細やかな配慮が嬉しいですね。すでに熟成を終えた生地が冷凍で届くため、50分という限られたレクリエーションの時間内に美味しく茹で上がります。
私は、このように「美味しい喜び」をゴールに見据えたレクリエーションこそ、これからの超高齢社会に必要不可欠なアプローチだと確信しています。義務感で行うリハビリとは異なり、仲間と協力して五感を使う体験は、脳の活性化にも繋がるはずです。最近では介護が必要になる手前の段階で行う「予防医療」としての活用も進んでおり、讃岐うどんの持つ新たな可能性に今後も期待が膨らみます。
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