【中国GDP】29年ぶりの低水準となる6.1%成長へ減速!米中貿易摩擦が直撃した世界2位の経済大国の今を徹底解説

アジアのみならず、世界全体の市場を牽引する巨大な経済大国、中国の動向に今、世界中から熱い視線が注がれています。中国国家統計局が2020年1月17日に発表した2019年の実質国内総生産(GDP)は、前年比で6.1%の増加となりました。この数字は政府が掲げていた「6%から6.5%」という目標圏内にはどうにか踏みとどまった形です。しかし、成長の伸び率は前年から0.5ポイントも縮小しており、2年連続で減速の波が押し寄せていることが浮き彫りになりました。

今回の結果は、歴史的に見ても極めて大きな意味を持っています。なんと、あの天安門事件の余波に日本を含めた世界が揺れていた1990年以来、実に29年ぶりという歴史的な低水準を記録したのです。SNS上でもこの発表は瞬く間にトレンド入りを果たし、「ついに中国の急成長も限界を迎えたのか」「これからの世界経済への悪影響が恐ろしい」といった、将来に対する不安の声が数多く寄せられています。この減速の背景には、長期化するアメリカとの激しい貿易戦争が存在しています。

ここで経済の基本となる「GDP」について、少し分かりやすく紐解いておきましょう。GDPとは、国内で一定期間に新しく生み出されたモノやサービスの付加価値の合計金額を指し、その国の経済的な体力を表す重要なバロメーターです。今回の中国の名目GDPは約99兆865億元、日本円に換算すると約1600兆円という途方もない巨額に達しており、米国に次ぐ世界第2位の座を維持しています。これは現在の為替レートで見ると、世界3位である日本のGDPの約2.8倍に相当します。

これほどの巨大市場でありながら成長が鈍化した原因は、製造業の落ち込みにあります。工場やマンションの建設を指す「固定資産投資」の2019年通年の伸び率は5.4%にとどまり、比較可能な1995年以降で過去最低の記録を更新しました。さらに、百貨店やスーパー、ECサイトなどの売上を合計した「社会消費品小売総額」も8.0%増と失速しています。これはアジア通貨危機の影響が残る1999年以来、20年ぶりの低さであり、内需の冷え込みが顕著です。

国民の生活に目を向けると、雇用に対する先行きの不安や、重くのしかかる住宅ローンの負担が影を落としています。消費者の財布の紐は固くなる地合いが続いており、家計調査における消費支出の実質的な伸びも前年から大きくスローダウンしました。産業の柱である自動車やスマートフォンの生産が振るわず、米国からの追加関税によって紡績品やロボット、家具といった幅広い分野の輸出が打撃を受けたことも、経済全体の足を大きく引っ張る要因となった模様です。

私はこの状況について、一見すると絶望的なデータに思えますが、過度な悲観は不要だと考えています。なぜなら、足元では製造業の景気マインドに改善の兆しが見え始めており、生産現場にも活気が戻りつつあるからです。さらに2020年1月15日には、長きにわたり対立していた米国との貿易協議で「第1段階の合意」の署名が行われました。これにより、世界中を冷え込ませていた関税合戦に一定の歯止めがかかったことは、今後の大きなプラス材料と言えるでしょう。

しかし、楽観視できない側面が残されているのもまた事実です。中国政府は2020年、前年に実施したような2兆元規模の大規模な減税措置をはじめとする、派手な財政出動を見送る方針をにじませています。自力での経済回復が求められる中で、どこまでこの減速トレンドを食い止められるかは、未だ不透明な霧に包まれていると言わざるを得ません。世界2位の経済巨人が次にどのような一手を打つのか、その舵取りから今後も目が離せない日々が続きそうです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました